許嫁の志村妙

きっともう、御前は俺の事なんざ覚えちゃねェのかも知れねェが…其れでも諦めきれねェ。

逢える確率は零に等しい。今まで事情があって連絡が取れなかった。
愛想尽きたと頬を叩かれる覚悟もしてる。

其れでも構わねェ。もう一度だけ、話がしてェんだ。


*遣り取りは長文傾向。
*頻繁に事故を起こし度々音信不通。
*以前も同じタイトルで捜索して再会。


少しでも気になった奴、何か知ってる奴でも良い。
連絡入れてくれ。


待ってる。

――…十四郎さん、御無事ですか？

貴方が捜してくれた記事を勝手に上げてしまってごめんなさい。
ただ、此れが一番の鍵になるかと思ったんです。他の鍵は――…そうですね、文章の綴り方。後は妊娠した、と貴方を随分驚かせた事が有りました。


式は洋装にしますか？それとも和装？
私は、貴方以外の人の隣で花嫁衣装を着る気は有りませんよ。

如何やら上から宛てた文は届いてねェらしいな。


又御前の手を離しちまったらしい、俺ァ如何してこうなのかね。
不甲斐無ェ事にちょいと厄介な病に見初められてな。俺の手元にはもう、…御前に繋がる物が何もねェ。


俺の事何ざとっくの昔に忘れて、何処かで御前を大切にしてくれる誰かと幸せに遣っててくれたら…俺はもう何も望まねェ。

俺も何とか今はこうして元気に遣ってる。

如何しても礼が言いたかった、御前に。


もう見る事もねェかも知れねェが…本当に、有難うよ。


俺は未だ御前の事…―――嗚呼、否。如何にも俺らしかねェか。


此から未だ未だ暑く成る。身体、壊さねェ様にな。

又ちゃんと見付けましたよ。――…ねぇ、凄いでしょう？褒めてくれますか、十四郎さん。


今少し勘違いした文を上から認めてしまいました。恥ずかしい…でも、私の本気です。


此処に文宛を残します。貴方が言って下さらなくても私は言います。
私は貴方だけを変わらず愛して居ます。


如何か貴方に繋がる手段を――。