アニメ/マンガ 一日限定
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1 松／野／お／そ／松
いつもの公園で
銭湯帰りの待ち合わせはいつの間にか定番化して、日が暮れるとたちまちひと気の失せるこの公園が俺たちの約束の場所だったりする。
逢い引きなんて言葉ほど色っぽくもドラマチックでもないけど、他の兄弟にも誰にも内緒でお前とここで落ち合う時はなんだか柄にもなくどきどきしたりするもんで。六分の一じゃない、一分の一の等身大のお前はなんだか無闇矢鱈に可愛くて、自分と同じ構成のはずなのに、そっくり同じ顔の筈なのに無性に愛しく思えてきちゃったりして、俺は堪らず難しい顔をしちゃうんだけど、心のうちはだいたい、分かりやすい欲求で埋め尽くされてる。
恋人とかそんな甘い響きは俺たちには相応しくないかもしれないけど、こっそり待ち合わせて六人を抜け出して二人になるこの場所でのその瞬間だけは、どんなに甘ったるくても許されるようなそんな気さえしてくるんだよな。湯上りのほっかりした柔らかそうなお前の頬の丸ごと吸い付きたくなる。

そんな雰囲気で、インスタント駆け落ちごっこみたいなやり取りが出来たら楽しそうだと思ってるけどお前はどうかな。手を繋ぎながら二人で夜空でも見上げちゃったら、同性だろうが兄弟だろうがそれはもう色気及びときめきを伴う関係性だろ。今夜一晩、俺とそういう風になって欲しい。

お前の好きな顔で、お前の好きな名前を呼ぶといい。
捨宿でこっそりと迎えに行くから。

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