短期募集
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1 彡／日／朋宗／近（10剣）
取るに足らぬよしなしごとを
主が何やら氷菓子を拵えてくれたようだ。
はっはっ、俺がいた時代では氷はとても高価なもので、お上が漸く口に出来たくらいだったが……まあ、時の流れか。
短刀たちは紅に、藍と艷やかな蜜を掛けてはしゃぐのがまた稚（いとけな）い。


……して、募集とやらだったか。
すまんすまん、この書をしたためる最中に声が掛かって、途中になっていた。
さて。募集か…うん。

時の流れは面白い。
あれほど持て余していた筈の時間であったが、この世はすこぶる『せねば、ならぬこと』ばかり。これに尽きる。

この、氷菓子をひと匙掬って、『富士の麓の氷の繊細で柔らかなこと』などと楽しむ隙も、今では見付けるのが難しい。
趣きを楽しむ時間がほしいな。
それを共有出来るものが居たら、尚楽しいだろう。

俺はそういった話相手を探しに来た。
まあ、要するにじじいの話相手を求めにきたのさ。
特別な事は求めはせぬが、寝起きの言葉の交わし合いや、日々のよしなしごとを互いにいい合いたいものだ。
何でもよい。
恋仲がつれぬ、ほんの少しの空き時間に引く袖がほしい、御伽草子を読め、摩訶不思議な話を聞かせろ…などなど。
俺を呼べ。ささやかな話相手にはなるだろうさ。
なんでもよい。
話し掛ける折に口実を作らずとも話相手になれる、そんな者があってもいいだろう。

なかなかに募集の書を編むのは不得手だ。
要するに口実など二の次で気楽に話し掛けられる気楽な関係を求む、…そういうことだな。


しかしながら、誰彼と節操なく求めている訳ではない。物事には線引きをせねばならん。
下記に当てはまる者、今回はそちらの中から縁を結ばせてもらおう。

ーー線引きーー

□背後成人済の女審／神／者
□媒体は線、文（此方は本のみ）
□書のやりとりに制限はなし、離れたければ離れる、気負いない関係を良しとする
□余りに掛け離れた話し言葉は不可


思いつく限りはこれだな。
成人を迎えた者ならば兎や角言わずとも、その辺りは踏まえているだろう？
世に通用するそれを持ち合わせていてくれ。

俺のほうだが、伴侶も連れも居らん。内番や遠征も時折ある由に、書の届く時間はまちまち。
不思議話が得意で、長生きしているからな。お前たちが知らぬ時代の話もできよう。
閨事は不得手だ、女相手も男相手も。そちらを求めるなら、他を当たるのを勧めよう。
甘やかすのは得意か。

□提供
俺のみ

□募集
刀剣男士なれば不問


返書を当てるならば、やりとりの媒体は何か（線か、文か）、あとは夜分は何時までなら返書を当てて良いか。それを書いていてくれ。
あとは何でもいい。寂しい、暇だ、などなど。

俺も久方ぶりの物書きだ、なにかと落ち度はあるが…疑問に思う事があれば気兼ねなく聞いてくるといい。


さて。
主にもらった氷菓子でも食うか

…

……

いかん。溶けているな。これは。

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