短期募集
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1 三／日／月／宗／近(刀・代)
誰一人欠けても、
意は成さん。皆、個性が有り、良さが有り、何と比ぶるべくも無く、幾千の夜を越えて邂逅が叶った掛け替え無き者達。そう宣う俺の語りを聞き届けてくれた貴殿は、短／刀か脇／差が一振りであろうか？もしくは蛍／丸、或いは一振り一振りの仲間に、この刀の世に愛着や思い入れを持つ者であろうか？

うむ、もしもそうであったならばまことに嬉しやな。ああそれから控えの主も成人に達っしたるおなご且つ原作の遊戯を嗜む者であればほんに有難いのだが如何であろう。

大事無いか？ならば良いのだがなぁ。此度は春告を待ち落つる葉や白雪が袂、葉を開くを待つ子葉が如く細やかで愛おしい出逢いの芽吹を求めに参ったのだが、人も刀も大きい事は良い事だと述べたるは何も見目に非ず内に秘めたる器も然り。

そう思いこそすれ、中々に…特に先に述べたる者達と出逢えず恥ずかしながら困り果てておるのが実情でな。目と目を合わせ、内なるを知りたいと。互いに他愛無い話を交え心穏やかなるひと時を過ごしたいと、日を追う毎に思いのみ強くはなれど機を賜れねば思ひ馳せるにとどまるばかり。

ゆえにこうして音に発しに来たのだが、俺一振りの響きでは些か心許ないのでなぁ。数えに六十振りの仲間達、皆の手を借り声音に乗せて貰うたんだがどうか？誰ぞ内響く言の葉とやらは届いたであろうかな。

生き永らえし中で数多の出逢いと離別を繰り返し、今漸くこうして皆と見え日々を過ごせておる。それだけでも十二分に幸せなのだが、ほんの少々…欲が生まれてしまったのはどうか許しておくれ。笑みが見たい、言の葉を交わし、より貴殿と過ごし知刃や友に、反りがぴたりと合えば恋仲になりたいとすら思うてしまったは…はっはっは。いや、これは少々では無いな？すまんすまん。

とかく、齢に見合わず好奇にはやり、話好きで構たがり、無二たる刀の朋友達が愛おしい。そんな俺や仲間達ではあるんだが、もし茶や酒片手に話を交えてやろうかと思うてくれたならば語りを述べたき相手の銘、貴殿の銘、場は…ふむ。如何しようか。居室や縁側、今は椛も美しき中庭で紅葉愛での傍ら声掛けてくれると嬉しく思うぞ。

まあとは申せ何分にも抽象的な誘いになってしまい相済まんが、分け隔て無く、姿に関わらず、今は名を友や知、愛の付く名を持たぬ縁を結びたいのは偽り無き本心だからな。まずは貴殿さえ良ければ三日程の暇を頂戴したく思う。無論合わねば白紙、退室等は随意に。媒体は帯含め青い鳥や仮、捨、本宿まで扱い良きものに合わせるゆえ遠慮無う所望を告げておくれ。

では此処を去るか、綴じ目の言の葉を告げに来るまでは貴殿の訪れたる調べが聴こえるを皆で待つとしよう。目の滑る程長き文面への読了まことに感謝。

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