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1 アシュレイ・グレイスタン
僕の人魚姫(R20/FT)
恋は落ちるもの。夜毎夢から夢を渡り歩くのに懸命な貴族が如何にも好む文句だろう?正直なところ、ゆめまぼろしに遊ぶ趣味の無い僕にはさっぱりぴんと来ない言葉の筈だったんだけど。……君と出逢った、あの満月の夜だ。波に散々揉まれて青褪めた君が腕の中で懐かしい人と同じ色の目を開いた瞬間に、僕も落ちる恋の引力を知ったんだ。

──君こそ、僕の人魚姫だ。


□PC成人女性、返答が3日に1通以上
□描写のみ200字〜上限なし、半での展開相談可能
□媒体帯もしくはGmail
□物語、雰囲気重視の遣り取りが可能
□サブC使用が可能、此方の使用を許容
■PCが13歳から17歳、下級階層の育ちの女装出来る中性的な少年であること。常識があり、しっかりしたものの考え方をするPC優遇。


むかし、むかし。ある港町に一人の美しい娘が流れ着いた。娘は美しい声を活かして酒場で歌を歌うようになり、瞬く間に人気者になったけれど、ある時忽然と姿を消してしまう。それから何度か月が満ちて、欠けて、また満ちて。暫く経った満月の夜、海に映る月の影を道にして娘は再び街に姿を現す。けれど彼女は生前想いを寄せていた貴族と結ばれなければ泡になってしまうという。

この辺りは貴族の別荘と大小様々な劇場を目玉にして、此処十年で見違える程栄えたんだ。定番の芝居はさっき聞かせた人魚の悲劇だ。この物語が書き上げられた当初、この街の一番大きな劇場には爵位を継いだばかりのうら若い領主と噂になっていた歌姫がいた。この物語は彼女の代表作となり、彼女が姿を消して時が流れた今も愛され続けている。……そして今、嘗て歌姫との道ならぬ恋の噂があった僕の目の前に、彼女の面影の色濃い君が姿を現した……という訳だ。あの物語の筋書きをなぞるようにして、ね。

此処で僕の話をしよう。華やかな噂の絶えない若き領主は変わり者で曰く付き。由緒正しい血統ながら人生は波乱万丈、幼くして拐かされ流浪の末に生まれ故郷のうらぶれた漁港を立て直し有数の大貴族へ……、事実は小説より奇なりと言うけれど、こんな話を鵜呑みにする人間はそう居ない。僕の正体を探ろうとする輩はそれこそ星の数程居てね。──…君もその一人……、いや、違うな。君の役はそんな輩に唆された美人局、そんなところ。

次に君の話だ。これは伝え聞いた話だから実際は違うかもしれない。海を渡った遥か遠くで生まれた君には、年の離れた上の姉と下の兄弟が居た。稼ぎ頭は君のお姉さんだったが、十年前に纏まった金を置いて行方を晦ましてしまう。君達はそのお金に助けられながらも苦労して大きくなった。そして下の子達の学校の事を考えるようになるこのタイミングで姉の遺品だという宝石の櫛を持った異国の男が君の家を尋ねて、男の子にしては綺麗な顔をした君にこう吹き込んだ。

「君のお姉さんは、海を渡った遠くの国で女優となり、先の春に亡くなりました」
「殺されたのです。伯爵家の世継ぎを騙ってまんまと領地を手に入れた悪名高いあの男に弄ばれて、最後には海に身を投げて」

こんなところかな。実際はまた事情が違うんだけど、それは今話すことでも無いか。


大金を提示されてか、或いは復讐の為か。他に理由があったのかはわからないけれど、結局君は裏切り者の手引きで海を渡り、今僕の目の前にいる。僕を殺せと言われた?それとも、誑かして正体を暴けと言われた?ああ、そんな顔をしないで。最初から君が彼女でないことなんて知っているよ。

──…でも、想像してみて。君はこの街を舞台にして、魔法も奇跡も無い世界で健気にも無謀な役を演じようとしている。僕も筋書きの無い「名物領主」の役を演じ続ける役者だからね。…背負うものは違うけれど、僕達は同じところに立っている。僕だけが君の苦しみを理解出来る、そうは思わないかな。

気付かないふりをしろと言うのなら、気付かない素振りで君をエスコートしてあちこちに連れ回そう。悪い伯爵を勇気ある一人の若者が滅ぼすまでの物語を描きたいのなら、最初はその身体を暴いて手酷く蹂躙するところから始めようか。僕を信じて本当の事を打ち明ける?気を付けて。君の敵は僕じゃない。彼らは海の向こうの君の家族を盾に取るかもしれない。大丈夫、存分に懊悩して。君が苦しむ顔が見たいんだ。

……けれど。もし、もし僕が君に真実を語る日が来たら、その時は──…、……おっと。それはまだ遠い未来の話だね。

興味を持ってくれたのなら、件名は空白で。君の自己紹介、萌萎、君が僕の元にやってきた理由とひとまずの君の方針、希望や質問と城の客室で初めて目を醒ます場面から描写を回してくれるかな。捕捉をすると、同じ部屋には僕が居て君の目覚めを待っている。僕の行動は初回に限り好きに設定してくれていい。


さあ、準備が整ったら物語の幕を開けようか。

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2 アシュレイ・グレイスタン
〇舞台設定〇
蜂蜜色の煉瓦の町並みとどこまでも澄んだ青い空が美しい街、ヴェローナ。この辺り一帯の広大な土地はグレイスタン家の所領だが、港としては立ち寄りにも交易にも不向きで流行らず食うには困らない長閑な暮らしが細々と営まれてきた。
十年前、前領主が病で死んだ途端、後継に浮かび上がったアシュレイが争いの末に十代で後を継ぎ、先代の事業を引き継いで美しい景観を活かして貴族の別荘地に土地を拓きながら劇場を作り、演劇、歌劇、舞踏、ありとあらゆる役者を招き入れて娯楽の街へと舵切りした事が功を奏して活気が生まれた。
街中には大道芸人や詩人も多い。
居城は崖に沿って建っており、客室のバルコニーのすぐ下に海が一望できる。


〇プロフィール〇

アシュレイ=グレイスタイン
身長182cm/28歳

黒髪。前髪を右に流し、襟足からざくざく梳いた髪を長く伸ばして編んでいる。垂れ目で右目尻にちいさなほくろがある。瞳の色は紫。
質素な装いを好み、普段は装飾のない濃紺·深緑のジャケツトスタイルでいることが殆ど。住まいである城ではシャツ一枚かパンツと揃いのベストで過ごすことが殆ど。
通った鼻筋、唇が薄く非常に整ってはいるが冷ややかに取られる事の多い顔立ち。温和な話言葉に落ち着いた物腰だが言葉尻は明瞭で他人に阿る事は無い。
所領を訪ねる貴族達のホスト役、ヴェローナを盛り上げた立役者として名声を集める反面、はっきりしない出自や爵位を継ぐ際の争い、恋仲と噂されていた女優の失踪など後ろ暗い話題にも事欠かない。

真実は前伯爵が使用人と駆け落ちした妻に似た浮浪児を拾ってきて世継ぎに仕立て上げた青年。丁寧な教育を受けており、義父への恩義は感じているが貴族の享楽主義には心底辟易している。

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