14 無名さん
学校の外からは、ばちばちと雨粒が地面を叩く音が響いて来る。
おまけに、遠雷も轟いている。
私は心底うんざりしながら校内を点検して回る。
昼間の賑やかさからは打って変わってしんと静まった教室、足下を照らす緑色の照明、被服室前に置かれてある不気味なマネキン。
それら全てが、私の神経をいやらしくなでまわす。
階段を昇り最上階まで行った私は、屋上の鍵が閉まっていることを確認すると、そそくさと階段を降りた。
さっさと職員室に戻ってコーヒーでも啜りたかった。
2階の廊下に差し掛かったところで、窓の外から閃光が走った。
先ほどまで遠くで鳴っていた雷が近付いて来たのだ。
私は、すこし足を止めて外を眺めた。
私は、稲光は嫌いではない。
もう一度閃光を見ようと、すこし高い位置にある窓を、背伸びをしながら覗いた。
その瞬間、雷の落ちる轟音とともに校舎が揺れ、唯一の光源であった緑色の照明が消えた。停電してしまったのだ。
たまに稲光で照らされるが、大した足掛かりにはならない。
しかし、職員室まではまだ少し離れている。そのとき、私は尻のポケットの膨らみに気付いた。
そう、気付いてしまったのだ。
次の日、目が覚めた時には、私は全てを忘れていた。
そう、全てを…
おまけに、遠雷も轟いている。
私は心底うんざりしながら校内を点検して回る。
昼間の賑やかさからは打って変わってしんと静まった教室、足下を照らす緑色の照明、被服室前に置かれてある不気味なマネキン。
それら全てが、私の神経をいやらしくなでまわす。
階段を昇り最上階まで行った私は、屋上の鍵が閉まっていることを確認すると、そそくさと階段を降りた。
さっさと職員室に戻ってコーヒーでも啜りたかった。
2階の廊下に差し掛かったところで、窓の外から閃光が走った。
先ほどまで遠くで鳴っていた雷が近付いて来たのだ。
私は、すこし足を止めて外を眺めた。
私は、稲光は嫌いではない。
もう一度閃光を見ようと、すこし高い位置にある窓を、背伸びをしながら覗いた。
その瞬間、雷の落ちる轟音とともに校舎が揺れ、唯一の光源であった緑色の照明が消えた。停電してしまったのだ。
たまに稲光で照らされるが、大した足掛かりにはならない。
しかし、職員室まではまだ少し離れている。そのとき、私は尻のポケットの膨らみに気付いた。
そう、気付いてしまったのだ。
次の日、目が覚めた時には、私は全てを忘れていた。
そう、全てを…
15 無名さん
少女のところにお星さまが降り立ちました。
「なんでも一つ願いをかなえてあげよう」
お星さまはいいました。
少女は泣いていました。
「家族を消してちょうだい!あんな家族、まっぴらよ!」
次の日、少女が目を覚まして一階へおりると、いつものようにおかあさんと
おとうさんとおにいちゃんがいました。
少女は後悔しました。
その夜、再びお星さまは少女の目の前にあらわれました。
「気に入ってもらえたかな」
少女はいいました。
「昨日のおねがいをとりけしてちょうだい」
お星さまはいいました。
「一度かなえたおねがいはとりけせないよ」
少女は泣きました。
「なんでも一つ願いをかなえてあげよう」
お星さまはいいました。
少女は泣いていました。
「家族を消してちょうだい!あんな家族、まっぴらよ!」
次の日、少女が目を覚まして一階へおりると、いつものようにおかあさんと
おとうさんとおにいちゃんがいました。
少女は後悔しました。
その夜、再びお星さまは少女の目の前にあらわれました。
「気に入ってもらえたかな」
少女はいいました。
「昨日のおねがいをとりけしてちょうだい」
お星さまはいいました。
「一度かなえたおねがいはとりけせないよ」
少女は泣きました。
16 無名さん
ある家族が妻の実家に遊びに行くために田舎までのバスに乗っていた。
山のふもとあたりまできたときに、子供が「おなかへった」とだだをこね始めたので、
しょうがなく途中のバス停で降りて近くの定食屋で食事をすることにした。
食事が終わり定食屋に設置されているテレビをふと見ると、
さっきまで家族が乗っていたバスが落石事故で乗員全員死亡というニュースが流れていた。
そのニュースを見た妻は、「あのバスを降りなければよかった…」と呟いた。
それを聞いた夫は、「何を馬鹿なことを言っているんだ!」
と怒鳴ったが、すぐに「あぁ、なるほど。確かに降りなければよかった…」と妻の意図に気づく。
さて、なぜバスを降りなければよかったのか?
山のふもとあたりまできたときに、子供が「おなかへった」とだだをこね始めたので、
しょうがなく途中のバス停で降りて近くの定食屋で食事をすることにした。
食事が終わり定食屋に設置されているテレビをふと見ると、
さっきまで家族が乗っていたバスが落石事故で乗員全員死亡というニュースが流れていた。
そのニュースを見た妻は、「あのバスを降りなければよかった…」と呟いた。
それを聞いた夫は、「何を馬鹿なことを言っているんだ!」
と怒鳴ったが、すぐに「あぁ、なるほど。確かに降りなければよかった…」と妻の意図に気づく。
さて、なぜバスを降りなければよかったのか?
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29 はるちん◆pr1Y
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37 無名さん
高度3000メートル : パラシュートを出そうと紐をひっぱると、ブラジャーが飛び出す。
高度2700メートル : パラシュートと思って担いでいたものが妹のリュックサックと判明。
高度2500メートル : 一応リュックサックの中を調べる。修学旅行のしおりを発見し、ようやく事態を飲み込む。
高度2300メートル : リュックの中に妹の携帯を発見。急いでFedEXに電話するが、イタズラ電話はやめろと怒られる。
高度2100メートル : 何か役立つものがないか、リュックの中を再度確かめる。
ロリエを発見。羽根がついているがここでは役に立たない。
高度2000メートル : 携帯が鳴る。非通知だ。
「つーか私のリュック間違えてんじゃねーよバカアニキ。なんだよこのパラシュートみたいな布。
マジ意味不明なんですけど。(ガチャ!)」
妹だった。涙で視界がにじむ。
高度1700メートル : 気分を落ち着けるために水筒を開けるが、激しく熱い日本茶が飛び出す。
妹が意外と渋いことを思い出す。
高度1200メートル : 諦めて遺書を書こうと、筆記用具を探す。しかし筆と硯しか見つからない。いつの時代だ。
いや、妹が渋いのを理解した私にとってそんなことはどうでもいい。
それよりももっと重大な問題がある。
──墨が無い。
血は争えないものだ。何をするにも詰めが甘いのは自分とよく似ている。
高度1000メートル : 再び携帯が鳴る。
「バカアニキ、リュックの中漁るなよ(ガチャ!)」
妹よもう遅い。成長したな…… ふぅ。
高度700メートル : ラストおやつ
高度300メートル : ラストドリンク(日本茶)
高度100メートル : …。取り締まり新米警官が,スピード違反の車を捕まえた。
高度2700メートル : パラシュートと思って担いでいたものが妹のリュックサックと判明。
高度2500メートル : 一応リュックサックの中を調べる。修学旅行のしおりを発見し、ようやく事態を飲み込む。
高度2300メートル : リュックの中に妹の携帯を発見。急いでFedEXに電話するが、イタズラ電話はやめろと怒られる。
高度2100メートル : 何か役立つものがないか、リュックの中を再度確かめる。
ロリエを発見。羽根がついているがここでは役に立たない。
高度2000メートル : 携帯が鳴る。非通知だ。
「つーか私のリュック間違えてんじゃねーよバカアニキ。なんだよこのパラシュートみたいな布。
マジ意味不明なんですけど。(ガチャ!)」
妹だった。涙で視界がにじむ。
高度1700メートル : 気分を落ち着けるために水筒を開けるが、激しく熱い日本茶が飛び出す。
妹が意外と渋いことを思い出す。
高度1200メートル : 諦めて遺書を書こうと、筆記用具を探す。しかし筆と硯しか見つからない。いつの時代だ。
いや、妹が渋いのを理解した私にとってそんなことはどうでもいい。
それよりももっと重大な問題がある。
──墨が無い。
血は争えないものだ。何をするにも詰めが甘いのは自分とよく似ている。
高度1000メートル : 再び携帯が鳴る。
「バカアニキ、リュックの中漁るなよ(ガチャ!)」
妹よもう遅い。成長したな…… ふぅ。
高度700メートル : ラストおやつ
高度300メートル : ラストドリンク(日本茶)
高度100メートル : …。取り締まり新米警官が,スピード違反の車を捕まえた。
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