1 愛花

(襟の深いブラウスの上に黄土色のボディスを重ね、ハイウエストで結ばれたエプロンは限りなく白に近いピンク色、その下に穿いている松葉色ロングスカートの、上半分ほどを被っている。七分丈ほどのスカートから覗く足には、ベージュのストッキングと、年季の入ったモカ色編み上げブーツ。今回「村人」になるにあたり、ヨーロッパの民族衣装である「ディアンドル」をモデルとしたことは一目瞭然であろう。さらに「らしさ」を表現するために朽葉色フード付きマントとバスケットカゴとを用意しており、マントを羽織り、腕に掛けるようカゴを持つと、更衣室に使った部室を後にする。向かう場所はもちろん――。誘惑に負けた己は、真っ直ぐに職員室前に向かう事はせず、有ろうことか魔王様を30分程放置する行動に移るのであった)
…おや?これはこれは魔王さま、ご機嫌麗しゅうございますか?――どうやら今日も今日とて罪のない村を容赦なく滅ぼされてみたいですね。
(職員室前にて。そう呟きかけた己は、動物癒し効果により、端から見てもわかるくらいの上機嫌っぷり。周囲に花までとばしそうな勢いである。一方、対照的となっているのが職員室前の静かさ。人気のない場所と化したそこは、己の登場の遅さを顧みれば、他の参加者や教職員は皆、巨大迷路に向かったと容易に推測できるが――。村人あるまじき行動を取ってもなお、「BAD END」の心配をしていない、やや緊張感に欠ける村人である/↑)