11 無名さん
(授業を終えて間も無い昼休み。担当の教師から全員分のノートを集めるよう言いつけられた所為かその表情は僅かに険しく、とは言え頼まれてしまった以上義務を果たさなければ貴重な休み時間が削られるので早々に回収へ取り掛かり。積み重なる冊子が規定数足りているのを確認すると、想像を超える重量に思わず溜息を吐きつつ均衡を保ちながら廊下へ歩を進め、程なくして二階の踊り場へと辿り着く。目的の社会科教室までそう距離は無いけれど流石にひと呼吸置くのが必要か、壁に背を凭れかけて天井を見上げる事数秒、開口一番に疲労感の滲む声色で心情を吐露し。/↑)