15 無名さん
(本日最後のチャイムが鳴り響いた放課後、ほぼ自主的な活動となっている手芸部の部室に荷物を置き、室内が暖まるまでに何か温かい物を、と廊下へ出て購買へ。移動だけでも寒いがために、制服の上にベージュのショート丈Pコートを羽織り、混雑の中、目的の肉まんやホットのペットボトル飲料水を購入し、両腕で抱えて暖を取りながら戻る最中、ふと目をやった外の景色。空へと吹き上がっては下へ落ちる水のオブジェ傍を蠢く人影を見つけて足を止めると、視界に一瞬映ったのは毎日顔を合わせているクラスメイトで。ガラスで遮断されていても寒さを感じる中、相手の行動に首を傾げながらその真相を確かめるべく、ひんやりとした錠を外して窓を開け。拭き込んでくる冷気に肩を竦めながらも右手を口の横に添え、相手の耳へ届くよう大きめの声を出して呼びかけてみて)
ほい
ほい