32 無名さん
Asahi Okuyama
奥山 旭

あの、おれにやらせてくださいっす。

177p 3/8 O型
学級委員 野球部 一年
NL/BL #125115 17.5.2〜

性格
*喧嘩になるくらいなら先に折れるし、手を上げる人がいないなら自分が上げる。意見を持たないわけではないが、できるだけ面倒ごとを避けたいあまり、すすんで貧乏くじを引きたがる根アカタイプの事なかれ主義。男女や上下の隔たりなくするりと懐に飛び込んでいける鈍感力はあるものの、後で「あれはミスった」「やりすぎた」「明日はこうしよう」と真面目さゆえに寝る前のひとり反省会はいつも長くなってしまう。楽しいときには大口を開けて笑い、悲しいときには目に大粒の涙を浮かべる、など実態はばかがつくほどに正直で分かりやすく、嘘をついてもすぐばれる。友情、冒険などの少年まんが的要素にずっと憧れを抱いていて、いつかはまんがの主人公のように人の心動かす何かをやり遂げてみたいと思い続けているが、道のりは長そうだ。

備考
*転勤族の父親にくっついて母親と三人でたまたまこの街に越してきた。すでに家を出ている兄は、いつもしきりに様子を心配して連絡を寄越してくるが、自立を心がけたい弟からしてみれば暑苦しくて仕方ない模様。今回の転校先は、寮のある学校なら父親の仕事に左右されることもないだろうと家族会議の末に決定。掃除と洗濯干しくらいしかまともに家事などしたことがなく、洗濯機や料理動画アプリとにらみ合う日々がはじまった。ひとりで机に向かうとよく煮詰まるので勉強は人のいるところでやりたい派。成績優秀とはいえず、授業中に船を漕いでいることもあるが、得意を教え合う戦法で赤点を取ったことは幸い一度もないらしい。少年野球チームから野球を続けてはいるものの、行く先々でポジションがころころ変わるため、実力はいまひとつ彼にとっても未知数のまま。寮生活になった今度こそはと確約された三年間に早くも息巻いている。

ロール
*な、教えて!おれこっちも分かんないんだ……。(掲げてみせた真新しいノートの陰から、弱りきった下がり眉を覗かせる。指で示した一ページには未知の数式と何度も書き直した跡のある答え、自信のなさの表れであるクエスチョンマークが並んでいて、自分なりに一度は頭を捻った様子が見てとれよう。転校する先々で勉強範囲にずれがあるのはもう慣れっこ。その度にこうやって新しいクラスメイトたちが必ず現れて、快く休み時間を割いてくれるのはとてもありがたい。その上まだ入学式からさほど時間の経っていない教室では馴染むのも難しいことではなかったらしく、時間が経過するにつれ、友達の家にいるようなまったりとした空気が流れだす。そのうち飽きた一人が変な落書きを始め、次から次へと便乗者が表れはじめると、平穏なはずの勉強会は腹を抱えて笑わせ合うデスゲームに早変わりして)うっ……まじやめて、笑いじぬっ。