33 無名さん
Saki Rindo
林藤 沙季

もっと褒めてください。

156p 11/7 O型
飼育委員 書道部 一年
NL/GL #89c997 17.4.29〜

性格
*一言で言い表せば、おおらか。沸点が高く感情的になることが少ない。だからといって物静かで大人しい人物だと言い表すと語弊がある。人当たりの良い自然な笑顔を携えながら、口から出るのは無遠慮な言葉の数々。人から何を言われようと気に留めない己の性分のせいか、口数も多い方で他人に対してもずけずけした言い方をする。あくまでも無意識の内の失礼な物言いを少しでも緩和できればと本人なりに考え、誰に対しても敬語を使うが結果相手の感情を逆撫でしてしまうこともしばしば。勿論揉め事を起こすつもりは無いため、笑ってやり過ごすまでがお決まりの流れらしい。それでも友人関係が破綻しないのは、物言いはともかく隠しごとをしない性格と頼まれ事はしっかりやり遂げる意外にも責任感の強いところ、そして周りに対してもあれこれ目を向けることが出来ているからだろう。

備考
*娘という立ち位置から見ても少々おおらか過ぎる両親の元に生まれ、特別な取り柄も無い平々凡々な人生を過ごし今日に至る。勉強が得意な歳の三つ離れた姉は、国立大学への入学を難なく果たした。一方、硬式野球部のピッチャーポジションとして日々練習に励み、スポーツ推薦による進学が有望視されている一つ下の弟。そんな姉弟二人に比べれば特別秀でた才能など無く、能ある鷹は爪を隠すならまだ良いものの其の気配も毛頭ない。多少なりとも競争心が生まれればまた違ったのだろう、しかしここにきて両親譲りのおおらかさが本領を発揮しているのだからどうしようもない。小学生の頃より唯一続けている書道だけは堂々と人に見せられる程の腕前であり、本人曰く特技らしい。運動能力は生まれる前に全て弟の為に残してしまったらしく、体を動かすのは好きだが自他共に認める運動音痴。学力もすべての教科が平均程度。大学受験を迎える迄に中の上あたりを目指したいと口には出すものの、実行に移されている様子は今のところ見受けられない。趣味は洗濯と部屋の掃除、料理の腕前は並み。身近で動物を飼っている人が居なかったこともあり興味本位で飼育委員へと立候補。しかしその愛くるしくも自由奔放な動物たちに苦戦を強いられているらしい。

ロール
*――あ、見つかっちゃいましたか。(グラウンドから聞こえてくるどこかの運動部の掛け声。音楽室より漏れる吹奏楽部の楽器の音。夕日の赤がほのかに廊下を染め上げる中、日中の賑わいなど微塵も感じられない放課後の校舎の端っこ。其処はまるで世界から切り取られた様に、ぼんやりとしたどこかくぐもった音だけが届けられる。そんな物寂しさが漂う一画、場違いなほどに響いた悠々とした声は己が発したものである。窓から眩しく差す夕日によって、廊下と同じく赤色へと染められる自らの片頬。無意識にも瞳を細め、悪戯っ子のような笑みを口元に携える自身の姿は、果たして悪事を働く生徒にでも見えるのだろうか。伺うような視線をゆっくりと、目の前に現れた生徒へと向ける。――遡ること一時間と少し前。珍しく黙々と書道部の活動に精を出していたところ、これまた珍しく納得のいく作品を書き上げられずにいた。普段はやる気という言葉から無縁であるにも関わらず、謎のバイタリティに背中を押され向かった先は普段あまり使用されることのない空き教室。時折校舎に大きく響く生徒の声や吹奏楽部の演奏をBGM代わりに時間を費やし、漸く書き上げた作品は自画自賛に近いもののなかなかの出来映えとなった。早速後片付けをするべく汚れた筆片手に向かった先は、空き教室最寄りの廊下に設置された手洗い場。真っ黒に染まった筆先を蛇口の口近くへと寄せ、普段のように栓を回す。しかし勢いよく噴出した水流は真下に流れることなく、天井を目指すように接合部から勢いよく漏れ出した。慌てて栓を締めるも、屋内での大雨に見舞われ筆どころか全身水浸しとなってしまったところ。更には己の周囲に発生した大きな水溜りを暫し無言で眺めていたが、視線を泳がせた先に見つけた雑巾をやっと手に取り拭き取り作業を始めた。――そこに現れたのが、現在目の前で物珍しげに己を見つめる相手である。わざわざ手洗い場へ足を運んだ相手が、水道を使用することは必然的に予測される。そこで、先刻己が被害を受けた蛇口を指さし、普段通りの笑みと共に忠告をひとつ。雑巾片手に廊下へ膝をつき、ずぶ濡れの格好で夕日に照らされる姿は悪事を働く姿からは程遠いものだろう。時期的には少し早すぎた水遊びに耐えられなかったのか、咄嗟に出たくしゃみによって周囲の静けさは吹き飛ばされた事だろう。)ここの蛇口はどうやら壊れていたみたいで。水道を使うなら、その隣のを使ってください。……は、っくしゅん。