35 無名さん
Shizuma Mitoya
三刀谷 静馬

逃げられると思ってる?

185p 1/10 B型
学級委員 剣道部 三年
NL/BL #192f60 17.4.22〜

性格
*穏やかな笑みを絶やさない温和で友好的な見た目に反し、口を開けばああだこうだと取り留めのない持論を展開して他人を翻弄する事へ喜びを見出す、生粋の偏屈屋。神出鬼没と言わしめる気紛れで奔放な行動力と、執拗な観察で他人を暴く事へ心血を注げども、自らは風除けを怠らず気に入った相手以外に本心を口にする事は非常に稀。風雅の心得を愛し品性を欠く行動こそ取らないものの、嘘も世辞も使い方次第、緩める所は緩め、引き締める所はしっかりと引き締めて「上々な人生を歩いている」と自負する事が出来る程度には自信家で俺様思考だが、飄々としているなどと例えられがちな外面の裏には、他人に踏み込まれる事を苦手とする臆病な一面も備えており、我の強い言動に思わず押し切られてしまう事も。底意地の悪い悪戯の多くは相手の動揺や困難に喘ぐ姿が愛らしいと思う、若干の加虐思考から来るもののようだが、それを覆す事が出来る対応力もまた非常に好ましく感じるため、実際の所は打てば響く手応えのある人物を密やかに心酔しがち。また個人の考えに重きをおくきらいがあり、常識や一般論には興味を示さない。 基本的には自由闊達、然し"抜け目のない言動を…"と常々気張っている本人の意思とは裏腹、残念ながら自惚れ以上に下世話な一面は隠しきれず、欲望に忠実な印象が俗物さを引き立てる。

備考
*名も知らぬ富豪と大恋愛の末、家を捨て恋に生きた母親とは泥沼劇の挙句幼少期に死別。その後叔父一家と暮らす母方祖父母に引き取られ、老舗呉服屋の威厳ある屋敷を根城に、窮屈な状況下ながら実に堂々伸びやかに育った。豪商名残の家風から英才教育と呼ばれるに相応しい武芸や教養を培わされた賜物で、座学や運動共に秀でた位置に着ける事が殆どであるが、それらであっても然程本気を出したものとは言い難く、"見栄えが良く纏まれば問題ない"を信条に、自身の意思で無駄な労力を抑え一段下の場所へ甘んじる。家柄故に和服を着用する機会も多く、基本的には和の思想を好み、風情や情緒に塗れている時間を幸せとする。現在当人の興を引く物は剣道と探偵教本くらいのものであり、無駄に逞しい精神力と運動神経も手伝って前者は既に最短で得られる三段を習得。後者は単純に人間模様への興味と刺激を求める探究心を拗らせてしまった悪癖に過ぎず、密かに事件を探して歩く妙な癖が身についてしまっている。父を知らず育ったお陰か責任感と言う概念が欠如しており、適当な場面を適当に切り抜けるための手段は問わない。責任転嫁や自己弁護はお手の物、故に人望は薄く、良き理解者となる長年の連れ以外に親しい者は少数。反面教師にしかならない母の生き様には憧れ半分、世間の厳しさや世知辛さが身に沁みているようで、良い様に振る舞っていても恋愛については少々馬鹿にしている節が強い。利害の一致が薄れ本気になる前に身を引くような安い関係を繰り返して来た最低野郎だが、その理由が母親譲りの一途さ故に、のめり込めば痛感するだろう単純な孤独への恐怖心に寄るものだとは、墓まで連れそう予定のトップシークレットである。

ロール
*(閉ざされた空間は黒一色。溶きたての岩絵具を塗り広げたような暗色の其処へ差し込む、か細く今にも途切れ落ちそうな埃り塗れの光の筋は、抑々整った字面を更に麗しく過ぎらせる程美しい「一縷の糸」に映って見えた。舞台が彼の地獄であるならば、恐らくこれは蹴落とし合いの切っ掛けにもなるあの、触れてはならない"蜘蛛の、"ものに違いない。そんな漠然とした思考の裏で、果たしてあの"悪者"の末路はどうなった物かと無駄な思いを馳せてみたその瞬間、ふと意識へ割り込むよう耳に届いた第三者の呼吸音は随分と生々しい物で、そのほんの微量な変化で漸くはたと現実に引き戻された。そう、糸がどうのと宣う以前、目前…否、正しくは床と向き合う形にて手前の両腕下へと強引に収めた相手の方が、常識的にも倫理的にも数段と触れ難いものであるに違いない。言葉一つ発さないよう見ず知らずの他人を強引に閉じ込めてしまったこの状況が、例えば昼下がり授業を放棄し教師の目を欺くために行った強硬手段だったとしても、例えば手狭な空き教室へと潜んでいた挙句の果て、追手を引き連れ不用意に飛び込んできた闖入者を急ぎ拉致し、道連れにならぬよう手繰り寄せた放棄寸前の分厚いカーテン下であったとしても。掴んではならない糸を素通りし、見殺さず突き放されず、こうして互いに危機共有の戦略を謀っている如何にも非凡な現実からのかくれんぼが成立しているあたり、裁かれるべき、または救われるべき"悪者"は両者である筈。然し時間にして数十秒…鼓動以上に響き渡る脅威の足音が消え行く事で束の間の文学体験は呆気無く幕を下ろした。もう少し正確に表現するなら幕は下りずに上がったとでも言うべき所だが、ともかく、覆った布を剥ぎ取る事で暗がりへ潜む非凡な状況から抜け出した先、陽光が知らせる長閑な昼下がりに目を細め一息、はてさて釈迦の手助け無くして外界への脱出が果たせた其処で見る相手は、一体どんな人物だろうか。期待から語気が酷く弾んでしまうのを止められない侭向けた満面の笑顔は、当然無礼極まりない行為への反省など皆無の清々しい物である)……共犯成立。言い逃れ出来ないこの距離感、どうしようか。