37 無名さん
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Yukino Sonomura

苑村 由紀乃

あの、その……何でも、ないです。

162p 3/4 A型
飼育委員 帰宅部 三年
NL/GL #2a83a2 17.3.17〜


性格
*視線は常に斜め下向き45度。話す声も小さいため聞き返されるのはまだ良い方で、相手まで声が届かずスルーされる事も日常茶飯事。
加えて話しかけるまでに常人の数倍の時間と勇気を要するという、絵に描いたような引っ込み思案の人見知り。喜怒哀楽の感情は人並みにあるものの、その何れ もが同年代の女子に比べ表面に現れ難く、存在感の薄さに拍車をかけている。 友達を作りたいと思う気持ちは十分にあるのだが、そのコミュニケーション能力の低さから、学園内に胸を張って友達と言える相手は未だいないのが現実。一般 的に長所と言って差し支えない「真面目で努力家」な点も、それが霞んで吹き飛ぶ程の欠点がある故、もはやあって無いような物である。

備考
*家 族構成は、父、母、兄、姉、そして由紀乃の5人。外交官の父親の仕事の関係で各国を転々とする生活は、快活だった長男長女をより社交的に、少々内気だった 次女を救いがたいまでの人見知りへと成長させる事となった。鳥や動物をこよなく愛し、道端で出逢った鳩や野良猫などにしばしば話掛けている。傍から見れば 完全に危ない人であろうも、本人としては人間相手より気安く且つ幸せな一時である故あまり問題としていないよう。成績はある意味芸術的な腕前を披露する美 術を除き、平均して上位をキープ。体育に関しては見かけによらず団体競技以外は人並みである。将来の夢は弁護士。しかし、このままでは法廷に立つ事はおろ か、職場のコミュニケーションすらまともに取れないのは目に見えているため、人見知りを治すべく一念発起し始めた寮生活であったが、筋金入りの対人スキル の無さがそう簡単に改善されるはずは無く、結果として実家で過ごす時よりも口数が減ってしまったという体たらく。一人称は「私」で、相手の年齢性別を問わ ず基本的に丁寧語を用いる。

ロール
*(立 春はとうに過ぎ、ショーウィンドウの中ではリアリティーに欠ける八頭身のプラスチック人形が春らしい色の軽やかな衣服を纏う弥生の月。しかし、現実の世界 は硝子の向こうの七分袖が爽やか所か寒々しく見える空気の冷たさで、人々は首筋や頬に澄んだ冷たい息を吹きかけながら飛び回る風たちから逃げるように防寒 具の前をしっかりと合わせ、気持ち下方へと視線を落とし未だ寒さが幅を利かせる街を早足で歩んで行く。そんな中、季節を問わず斜め四十五度が定位置の彼女 の視線が珍しく上に向けられていたのは、頭上に暦より幾分のんびり屋の春の精が、ゆっくり、けれども確実にこの雪ヶ丘にもやって来ている証を見つけたから だった。斑点模様の幹の先に可憐に咲く桃色は色の無い季節を過ごした目には一際鮮やかに映り、暫し呆けたように見つめていたものの、足元にふいに感じた微 かな重みに現実へと引き戻され、目を転じた先で横たわる手袋に慌てて辺りを見渡せば、少し先に楽し気に歩く中学生と思しき二人組の女子生徒の姿。膨らんだ コートのポケットより同色の片割れが覗いている事から、彼女が持ち主なのは間違いないだろう。走って行き、声を掛けて渡す。ただそれだけだが、見知らぬ、 しかも二人でいるの相手に声を掛けるのは自身にはハードルが高く、小走りに後を追っては口を開いて閉ざすという、周囲から見れば何とも怪し気な行動を数回 繰り返し。掠れた小さな声を彼女達の背中に送り出したのは、十分近く経った頃だった)あ、あの……。これ、落としませんでしたか……?


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