40 ここまでやればいいでそ!
(予定のない放課後を持て余し真っ直ぐに自室へ帰るべくやや早足で進む廊下は、朝や部活終了時に比べれば人も少なく、多少の音は耳に届けど静かといえる域を出ず。通りかかった談話室の近くでテレビの音声が耳に届くと、覗き込んだその先には見知った姿が一つ。思わず口をついて出たのはやや遠目からでも予想できる相手の名前、疑問符をつけて呼びかけソファへのんびりと向かいながら遠慮のかけらもなく明るい声音で続けるも、互いの距離が狭まるにつれその手にある紙が何かを察し、返答を待たずして納得の顔に。軽く顎を引く程度の至極浅い首肯に加え、更なる問いを一つ持ち出し/↑)綾瀬?──何してるの、……あー…なるほど。気分転換?