46 無名さん
(早朝の凍て付く寒さは足元から駆け上がって来るようで、学校へ向かう道すがら剥き出しの脚は既に感覚が無く擦り合わせた素手に至っては指先までも凍りそうな程。首に巻いた格子柄のマフラーは役割を果たしているのか否か隙間から入り込む冷気に身震い一つしたのも束の間、道行く先に覚えのある後ろ姿を目敏く見つけ考える間もなく駆け寄って。声を掛ける直前その背中を楽しげに叩いたなら、慣れ親しんだ間柄故の強引さで相手の手袋を指差しあわよくば奪おうかと)
さっむ…!ちょっと、あんたそれあたしに貸しなよ。女の子がこんなに寒がってんでしょー。