51 これでロルうま()らしいお
ふふ、美味しいご飯を更に美味しく出来るなんて光栄だよ。(さらりと擽ったくなるような言葉が投げ掛けられるも照れよりも相手の様子が微笑ましく目尻を下げて、肩を小さく震わせながら笑みを零し。何か注文を追加するにもまたあの列の最後尾に並ばねばならず、葛藤から微かに眉間に皺を寄せていたが相手の声によって思考を中断させると指し示され先へ視線を移し、運ばれて来た二人分にしては多い料理が並んだカウンターで一際存在感を見せるご飯が高く盛られた定食に食欲を刺激されたのか何とか鎮めてきた腹の虫が小さく鳴き、慌てて腹部を押さえるが相手にも聞こえてしまっただろうか、向けられている視線にはにかんだ笑みを滲ませつつも申し出を有り難く受け入れてトレイを取りに足を向かわせ、湯気の立つ蕎麦のトレイを一旦は両手で持つが明らかに腕の数が足りていない様子が窺えて手伝おうかと問いを重ね)…わっ、良いの?…ははっ…すごくお腹空いてるからお言葉に甘えちゃおうかな。私も一つ運ぼっか?