52 無名さん
北大路だ、待たせたな!
何だ何だ、随分しんみりしているではないか。君達らしくないぞ!この俺がもう一度鍛え直してやろう!

とは言ったが、俺もきちんと挨拶をしなければならないな。
……何と言って顔を出せば良いか分からず、結局間際での登場になってしまった。最後の最後まで君達には焦らし☆プレイをしてばかりだ。
まずは急な家の用事で突然姿を消してしまったことを謝らせて欲しい。本当に済まなかった。別れの言葉ではああ言ったが、先生方にはまた戻って来ると約束をしてあったのだ。君達には内緒でな。サプライズというやつだ!だからもう二度と会えなくなるとは考えもしなかった。俺もなかなか浅はかだったな。
あんな風に君達の元を離れた俺がここへ言葉を残して良いものかと悩んだが、何もしないままだときっと後悔することになると思った。俺は君達のことが大好きだったのだ。支配だ命令だとばかり言っていたが、ただ君達全員と仲良くなりたかった。朝陽ヶ丘での生活は俺はとても楽しかったぞ。
少しでもこの朝陽ヶ丘を盛り上げようと尽くしたつもりだが、それを途中で放棄した今となってはただの騒がしい生徒だったろう。
先生方にもこの後礼を言いに行くつもりだ。俺の大好きな場所を作ってくれてありがとう!たくさん迷惑を掛けていたのだろうと思う、申し訳ない。

本当は一人一人にメッセージを書き残したかったが、そんな時間も残されていないようだな。俺の大切な友人であり、支配下にある君達へ。
今まで仲良くしてくれて本当にありがとう!出席簿を開く度にいつも声を掛けてくれていた君達がいたことは、俺はずっと忘れないぞ。
それから、もう一つ。大城、君には色々なことを教えて貰った。今更何も言う権利はないのでそれまでに留めるが、ありがとう。君は自分のことをもっと評価して良い。

また何処かで会おう!今度は俺と君達との約束だな。ではさらばだ!!