54 魚拓
馬鹿の物真似なの、それ?
久保寺 蕾
( くぼでら つぼみ )
6月12日/AB型/202号室
170cm/57kg
調理部/無所属
≫性格≪
綻んで景色を彩る花のように、可憐に育つようにと願いが込められた名には大切な娘への愛情が汲み取れよう。しかし両親が可愛らしい笑顔の似合う女の子への成長を夢見たのもほんの数年の事、ある日平素の鉄仮面で「ねえおとうさんおかあさん、お花ってきれいだけどさいたらすぐにちっちゃうんだよ。はかないね」なんて淡泊に宣う娘を目の当りにしたのは小学校入学を控えた冬であった。現在高校生の久保寺蕾は、当時の可愛げもへったくれも無い発言をした幼い少女がそのまま縦に真っ直ぐ伸びたと講釈すれば事足りる。ネガティブとダーティを拗らせに拗らせて、一周回ってそれを己の個性としてしまった変人なのだ。警戒心と猜疑心は強いにも拘わらず羞恥心はいまいち欠けており、時折突拍子もない発言や行動をとることも屡々。男性や目上に対しても物怖じすることなく現実的で辛辣な口振りをするが、厳しい態度に出る相手のことは少なからず好意的に見ており、心底苦手とする相手は最初から歯牙にも掛けない。基本的に感情の起伏は平坦で、騒ぎを遠巻きに見詰めてシャッターをぱしゃり、そんな傍観者タイプである。年相応の愛想があるとは言い難いが、慣れた相手には冗談を織り交ぜたりそれとなく甘やかしたりと、幼さは確実に残している様子。