6 無名さん
「ね、それ一口ちょうだい?」
給前 陽

-Kyuzen Haru-
♂/20歳/大学生/174cm/AB型/#7b5544
性格

豊かな大自然の中、歳の離れた兄姉に囲まれて割りと不自由なく育った彼は二十歳を過ぎてなお素直かつ二心がない、のびのびとした人格へと成長したと言えるのだろう。甘えるという行為への抵抗が他の同級生より少なく、親愛の念を込めたちょっとしたスキンシップを好む。他人へと悪意を向けることが極端に少ない為、何気ない相手の行動も勝手に善意と受け取ってしまうことが多く、実は人情の機微に疎い面も見受けられる。昔から手先は器用な方で一度集中してしまいさえすれば爆発的なエネルギーを発揮するが、その場合は少々周りが見えなくなる欠点あり。創作活動に一度のめり込むと平気で十時間は黙々と作業してしまい、後々ツケが回ってくることも多い。逆に一旦集中が途切れてしまうとしばらくエンジンが掛からなくなってしまうのも悩みの種である…筈だが、当の本人はあまり気にしていない。

備考

美術大学の三回生で専攻は油絵。中学までは陸上部に所属していたが高校から美術部へと転向、現在の進路を選ぶ。星屑町から遠く離れた田舎町の出身で中学生まで野山に囲まれて過ごしていた為、都会暮らしにはあまり馴染まない。遊び場が広大な土地と舗装されていない山道しか無かった為自然と足腰が鍛えられ、短距離走だけは速いのが運動に関する本人の唯一の自慢である。同居していた祖母の影響からその当時の食事はほぼ自給自足、足りない食材は山へと山菜を採りに行ったり、家庭菜園にて挿し木を繰り返しこつこつ育てた野菜を収穫したりと貧乏生活とまでは行かなくともそこそこの節約生活の中で育つ。その為か食に対する感謝の念は人一倍強く、出された食事を残したり好き嫌いをすることは全くない。七人兄姉の末っ子で長兄には既に小学生になる娘がいる程歳が離れている。
男性にしては小柄な方で体躯は女性ほどではないにしろ平均より華奢。実の姉いわく「女の子に急にダイブして抱きつかれたとしても思わず後ろによろけてしまいそうな頼りない身体」。元々色素の薄かった髪は大学入学と同時に明るいコーヒー色へと染めた。服装のデザインへ対するこだわりはあまり強くなく、綿などの着やすく肌触りの良さを重視する傾向にある。
大学の三回生となり漸く重い腰を上げ就職活動を始めてみたものの方向性が定まらず全く進展せず、星屑町には風景取材の為の訪問と銘打ってはあるものの、その実は遠まわしな現実逃避である。

参考ロール

(特有の清々しさを持つ爽やかな風、きらきらと輝く太陽とその光を受けてみずみずしく青々と生える緑、どこまでも澄み渡る海の蒼に初夏ならでは、自然ならではの粋を感じさせられ感嘆の息を洩らしたのは言うまでもない。制止する友人を振り切り半ば強引に荷物を纏めて訪れた価値が十二分にあると思えるその景色を、ボストンバッグ片手に一人噛み締めているその最中、彼にとって転機となる出会いが訪れる。背後から掛けられた声に反応し振り返ったその先に佇む女性、歳の頃合いは己よりやや上だろうか。上品な佇まいの中にどこか秘密を孕んでいるような、不思議な雰囲気の彼女に持ち掛けられたバイトの話は、就職活動に悩み環境を一新したいと願っていた自身にとってまさにうってつけの内容だったといえよう。初めこそ真意を窺うように少しだけ細められた目元と硬かった表情も、元より人見知りなど全くなく直ぐに馴染めてしまう性分も相俟って直ぐに目尻を下げた柔和なものへと変化し二つ返事で話を受けて。片手で持ち手を掴んだままだったボストンバッグを静かに砂浜に置き、屈託のない笑顔を浮かべながら右手で握手を求めてみせて。相手がもし其れに答えてくれたとするならばそのままやんわりと掌を握り返し、馴れ馴れしくも先程知ったばかりの名前を呼びながら質問を繰り返していくのだろう)
住み込みバイト…へえ、面白そうですね!僕でよければ是非、やらせて欲しいです。ねね、蝶子さん。この街すっごく雰囲気良いですよね、オススメスポットとか教えて欲しいなぁ、なんて。