69 無名さん
(校舎二階の廊下、放課に賑わう級友たちの波を縫って疾走する己は泥棒宜しく追尾の足音から逃れんとするところ。しかし警察を演じる友人は慮外にも前方から更に一名、咄嗟に右脚で急ブレーキをかけ、進退窮まった現状に諦念を抱こうか悪足掻きを続けようか、自問の末にて軍配が上がったのは無論後者。俄然窓を押開け無造作に窓縁へ乗り上がる身のこなしは無駄に敏捷さを具えたもので、何の躊躇も無く矢庭に桟を蹴って窓の外へ飛び出し。タックアウトされたシャツの裾が翻って風に靡くと、宙へ跳躍した体躯は忽ち重力へ捕らえられ急激に下降を開始、瞬く間に衝突音と土煙を舞い上がらせながら地面に射した黒い翳りを己自身で踏み付けてみせ。そのまま逃走を再開しようとしゃかりきに働こうとした両脚は着地の衝撃で麻痺状態にあり、完全なる斜め走行となって植え込みに突撃しながら居丈高な捨て台詞諸共倒れていき/↑)
甘いぜ!俺を捕まえようなんざ100万年早かっ……あーあーあー……。

これ好みなんか