74 無名さん
(暫しの沈黙後、態となのか、はたまた演技なのか は定かではないが産まれ立ての小鹿よろしくぷるぷ ると身体を震わせつつ四つん這いから徐々に立ち上 がれば自身と一緒になって放り出されたと思しき教 科書やルーズリーフを拾い上げてなにやら独りご ち。雨に打たれ僅かに濡れた頬を無造作に制服の肩 口で拭い、そこで漸く先客の人物がクラスメイトで あることに気がつくと同様の質問を投げ返し書き途 中らしき手元のルーズリーフへと視線を落として) …め、めんごめんご。ちょお、魔が差してん。…や ぱスネークとかアサシンはぱないねんな…。 て、誰かと思えば転入生の子やないですか。なんや 勉強でもしとったん。