75 無名さん
(午後からの構内見学に向けて腹拵えをすべく気合を込め臨むカフェでの食事。軽食と謳われた食事はサンドイッチ一つにしても上品さを感じさせる大きさで、些かの不満を募らせながら次々とそれらを重ねて行った結果皿の上には必然的に色取り取りの小さな山が出来上がり。二つの山を両手に部屋の隅の席へと腰を落ち着けて両手を合わせ早速食事に入り、上から順番に次々と口に運んで行くものの、ふと視界の片隅に映り込んだ小さな紙に気が付けば自然とそちらへ視線は流れる。綴られている名前はクラスで屡々見かけるもので、控え目に掛けられた声に誘われる様カードからその持ち主へと視線を流せば、頬一杯に詰め込んだ食べ物を咀嚼して飲み込む迄の短い静寂が訪れた後緩やかに頭を上下してそれを返答とし、澄ました顔で冗談を口にしながら今度はじゃが芋の煮っ転がしへと箸を伸ばして/↑)
…宗教の勧誘ならお断りですけど。
76 無名さん
(複数の生徒が思い思いに会話を楽しむ中、自身と相手との間には妙な緊張感が漂っていただろう。しかし、彼女が漏らした笑い声によって幾分か雰囲気が和らぐのを感じると、食事に重きを置いていた意識も自然と隣の女性へと流れ。彼女の言葉によって忘れかけていた今回の目的の一つである交流というテーマを思い出せば、空いた左手を無造作に動かしてポケットを漁り、適当に押し込んだ影響で折れ曲がり皺の寄った青色のカードを相手のカードの隣へと並べてみる。冗談に慌てる彼女の様子を一頻り見て楽しんだ後怖ず怖ずとなされた質問に対して頷きを返し、今尚何と無く感じる心の隔たりを打ち壊すべく先程口にした絶妙な味付けのじゃが芋を返した箸で一つ挟んで彼女の皿へと移し、拒否をされなければもう一つ、二つそれらを移す筈で)
クラスメートの顔と名前くらい一致してる。それよりほら、この煮っ転がし食ってみ。美味ぇから。