8 無名さん
じゃあ自分も

(坊主頭に燕尾服が周囲に警戒心を与えているとは想定の範囲外、しかし遠巻きの視線には慣れたもので一心不乱に向かった先は甘味が連なるその片隅。食べ慣れぬ洋菓子を食せる少ない機会だと、皿を手に思案に暮れる表情にはときめきの色すら浮かんでいて。と、いざ食さんと離れた場で感じた異様な気配、上げた双眸が捉えたのはこの世のものとは思えぬ風体の人物、はたまた動物か。備えなく眼前に現れたその者に普段の冷静さは何処へやら、驚き慄き片足を引くとほぼ同時、動物の口から零れ出た言葉に噴き出た手汗は皿をつるりと取り落とし/↑)…な、なななんと!うさぎが、喋った!