94 老ぎゅロル
(常闇の世界足る不穏な空間、人為らざる者達が住まう世界は我が故郷。人間の姿は非ず有るのは人の形を模そうとても心を魔に売り払う異形達。強欲の名を冠した姿も其処に有り、闇の中に響き渡るのは高らかな悲鳴。不敬として襲い掛かったのは何れの勢力の者か、其れとも何れにも属さぬ者か。畜生と混ざった人形に語り掛ける言葉は静寂に溶け込み反して地に貼り付けられた人形に向ける双眸に有るのは感情を持たぬ其れ。声音には笑気を含ます常とは言えども敵に掛ける情けは無しと理解出来ようか。血溜まりに有る人形は未だ呼吸を繰り返し、恐怖の貌を浮かべる其れに向けるのは携えるトランクケース、其の横幅を向ければ一息を持ち其の頭蓋を杭にて粉砕するだろう)──逆らう者は叩き潰せと我が父君に教わってね。忠告を無視した為らば殊更。>>入室