1 アルミン•アルレルト

僕の大好きな幼馴染みに宛てて

こんな風に、いつも隣に居てくれるエレンへ改めて文字を綴るのは何だか妙に照れ臭くて、なかなかくすぐったい。でも今日はせっかく君と過ごして1ヶ月めだから、伝えた通りこうして手紙を綴ろうと決めていた。書いては消して書いては消してを繰り返していたら遅くなってしまったけれど。ちょうど1ヶ月前の今日、君が僕の名を呼んで、その手を伸ばしてくれた事を今でも覚えているよ。あれから月が巡って、こうしてまた同じ形の月を君と共に眺められる事がすごく嬉しい。

いま思うと君に惹かれる切欠となったのは、エレンが僕の「還る場所」になると言ってくれた時だと思う。父さんも母さんも今は居ないけれど「おかえり」も「ただいま」もこれからは君に言えば良い。それに何だかすごく安心して、エレンともっと話したいと純粋に思ったんだ。…ただ問題は、君の用意してくれたこの居場所は暖かくて、大きくて、とても優しいから、少し気を抜いただけで沢山甘えてしまいたくなるという事だ。それでも僕は強がりで、何でもない顔をして君への言葉を幾つも飲み込んで来た。

だけどきっとこの無意味な強がりもその内続かなくなってしまうんだろう。君が好意を口にしてくれる度に、どんどん小さなプライドさえ保てなくなって来ている僕がいる。誰かを、君を…―好きになるってこういう事なんだ。それを妙に実感した時に少し悔しくて、とても照れ臭くなったよ。今でもこんなに君の事で頭がいっぱいなのに、これ以上にもっと夢中になれなんて言う君は、やっぱり狡い。

どうかこれからも僕の隣に居て、また君と一緒にこの日を祝わせて。1ヶ月傍に居てくれて本当にありがとう!
10 エレン・イェーガー
06/18/残り10日で、

お前との特別な関係も3年だ。

今頃お前は真っ白な紙と向き合ってオレに頼まれた通り一生懸命書いてる頃か?一緒だな。お前は知らねぇと思うが、同時に愛を綴るのが今回の作戦だ。偶には驚かさねぇと。然し何だ、改めて何か書くのは相当難しいな。かれこれ30分が経過してるぞ…!―…なら、好きだぜ。アルミン。取り敢えずこれは残したい。色々喧嘩や気持ちが擦れ違う事も何度かあったけど、最終的に今も変わらず隣にいるのはお前が誰よりも大切で大好きな奴だからだ。

最近少し好きって言える回数が増えた気がするんだ!お前の喜ぶ顔も見れるし、偶には素直さを押し通すのもアリだな!変に意識すれば負けな気がするし…、嘘だ嘘。
最近言えるのは感情が溢れてる所為だ。好きって凄ぇ伝えたい。何でだろうな、好きな事は今に始まった訳じゃないのによ。お前といると色々知らなかった感情が湧き上がる。嫉妬深いのは知ってたが、実は寂しいって気持ちも好意がこんな溢れて言葉にならねぇってのも全部お前を通じて知った感情だ。それが新鮮で変な気持ちだな。お前から目が離せねぇよ。

なぁ、…アルミン。好きだ。お前の事誰よりも好きだぜ。この先もずっと一緒だ。アルミンがいれば平凡な日常も輝きに変わる。そんな時間がオレにとっては特別で大切で…捨てられねぇ時間だ。お前の顔を近くで見て話して触れて、大切なお前を愛していきたい。3年後も、その先もずっとずっとだ!

はは、これだけ書くのに1時間半も掛かっちまった。頭が疲れたぞ…っ、よしアルミンに逢いに行くか!
11 アルミン・アルレルト
ここに綴るのは本当に久しぶりだから少し緊張しちゃうな、でも今日はここに書こうって決めていたんだ。エレンの思惑通りとはいかなかったけれど、お蔭で最近エレンの事ばかり考えていたよ。だからこれを書いている今、とてもエレンの顔が見たい。きっと急いで帰って来てくれるだろうし、もう暫くおとなしく待ってみる。

ねぇエレン、大好きだよ。こうして改めて書くと、いつも言っている言葉なのにやっぱり照れ臭いな。だけどエレンが書いてくれたのに僕が書かない訳にはいかないじゃないか。好きって言葉も最初はなかなか伝えてくれないエレンの代わりに僕が沢山好きだと言えば良いと思ってた。それが以前からは考えられないくらいエレンが色々僕に言ってくれるようになったから、この勝手な僕だけの使命感も必要なくなってさ。それが嬉しくて未だ馴れなくて、すぐ照れるって君に言われる始末だけれど。今は、――…それでも沢山エレンに好きだと伝えていきたい。言葉は人間にのみ許された意思疎通の最上の手段だと思うし、何より僕に言われ慣れてしまった君をもっとこの言葉に溺れさせたいんだ。エレンはそういう所、本当に単純だろ?…大好きだよ、エレン。ほら、また少し僕の事を好きになってくれた、なんて。はは、冗談だよ。

一年過ぎて二年過ぎて、そうして三年目を迎えて、飽きるって単語は僕らの中から欠落したのではないかとさえ思える現状といえるだろう。それが堪らなく幸せで嬉しいよ。エレンもそう思ってくれていたら良い。また二人で並んで沢山の物を見に行きたい。色々な経験も共有したい。もっともっとエレンと一緒に居たいよ。三年なんかじゃ全然足りないんだ。君との歴史が僕の当たり前になって、この先もずっと続くと信じてる。エレン、エーレーン。エレンが帰って来る前にこの手紙を書き上げようと思っていたのに間に合わなかったみたいだ。本当は0時ピッタリに手紙を書き上げる予定だったんだけどなあ。僕はどうにも鈍臭すぎていけない。今夜もまたエレンにおかえりって言えて嬉しいよ。僕のいる此処が君の帰る場所だから、これからもずっとエレンにおかえりって言い続ける。

大好きな僕の幼馴染へ。おかえりなさい。
12 アルミン・アルレルト
久しぶりにこの場所を思い出して、日記を読んだらエレンの書き込みが有って驚いた。そして僕は残念な事にすっかり日記の鍵を忘れてしまったから、君が気付くかわからないけれどここへ。久しぶりにエレンに、文字を綴るよ。

エレンに新しい家族が出来たみたいで、僕も嬉しい。上手くやれそうかい?ちゃんと有言実行しろよ、君はすぐ調子の良い事を言うんだから。どうかその人を大事にしてあげてほしい。

親友に新しい家族が出来て良かった。
エレンの幸せを、遠くで祈ってる。
13 削除済