1 エルヴィン・スミス

私の最愛の花に告ぐ

三度目の節目を迎えた今日、この場を借りてお前への想いを綴っておこうと思う。

私達の出逢いは、私がこの場所でお前の貼紙を見付けた事から始まったんだったね。先ずは一週間の同居という約束だったが、その後お前の方からまだ一緒に居たいと継続を意味する言葉を貰えた時は本当に嬉しかった事を憶えている。

お前を見付けたあの日…あの場に記されていた言葉通りお前の世界に少しでも色を施す事が出来れば本望だと思っていた筈が、それが今や如何だろう。色褪せていた私の世界に再び彩りを与えてくれたのはお前の方で、私はこんなにも日々満たされているのだから実に滑稽だ。
なあ…リヴァイ、お前は私の隣で同じ様に幸せを感じてくれているだろうか。

お前が偶に見せてくれる、あどけない笑顔が好きだ。無防備な寝顔も可愛い。私がそう言えば別に可愛くないと第一声に突っぱねてしまう…そんな所も愛おしい。朝は必ず顔を見せてくれる健気な所も、私の好物を憶えていて振る舞ってくれるその愛情深い所も。恥ずかしがり屋なお前も、甘えるとなると不器用な姿を見せるけれど誰よりも甘やかし上手なお前も…如何しようもない程に、大好きだよ。

三ヶ月という短い期間でお前の全てを知ったとは到底言えないが、きっとこの先私はどんなお前の姿にも惹かれる運命に在る事だろう。そして、何度もお前に恋をする。だからこの先も如何か私の隣で…色々な顔を見せ続けて居てくれ。


あの小さくも可憐な花に囲まれて過ごす未来が私達に待っている事を、今でも願っている。
8 エルヴィン・スミス
この場所を使うのは久方振りだが、10回目の節目を迎えられた記念にお前への言葉を残しておこうと思う。お前は今ではあまり此処を見ていないようだから、これに気付いてくれるのはいつの事になるのか…私にとっては密かな楽しみでもあるな。

まだ私達が結ばれて間もない頃、お前の事が知りたいと何度も強請った男の事をお前は覚えているだろうか。
恥ずかしい話、当時はお前との距離を詰めたい一心で、しかし勝手が解らずただ一人もがいていたような気がするが…この10ヶ月を共に過ごす中で、お前は色んな一面を私に見せてくれたね。

健気に想いを向けてくれる優しい性格は以前から変わらないな。貴重な休暇にも関わらず仕事に向かう私の為にと、朝から弁当を作ってくれたお前が本当に愛しくて堪らなかった。今ではあの形の卵焼きが私の大好物だ。甘やかし上手なのは勿論だが、実は甘えたがりだという事もちゃんと知っている。猫のように擦り寄って来られる度に疲れが飛ぶように癒されるんだ…相変わらず現金だろう?恥ずかしがり屋なのかと思えば実は大胆な一面がある事も、お前が周りに好かれる人間だという事も……全て私が愛して止まないお前だ。

暑さにも構わず寄り添いながら夏を越して、秋には私達の花の種を二人で植えて、今まで以上に互いの体温を感じながら過ごしたこの冬をこのまま共に越せば…次に迎えるのは、私達が出逢えた春だ。

可憐でいて綺麗な姿を見せるあの花の傍らで、お前と一緒に春を迎えられたらと心より願っている。
…だから改めて、この先も私だけのお前で居てくれ。


唯一かけがえのない、最愛のお前に告ぐ。
9 リヴァイ
エルヴィン、お前と過ごすようになって一年だ。色の無かった俺の世界だったが、今はお前が運んでくれた眩い光と、鮮やかで艶やかな色で満たされてる。

金色、銀色、蒼色、淡い桃色、赤、ミントグリーン、シャンパンゴールド、それに青。もっと沢山の彩りがあった。きっとこれからも沢山の色が増えて行くと思う、お前と過ごす日々で見付けた色、お前が運んでくれる色で。…お前の日常にも、俺は光を灯せているだろうか。お前の世界に、俺だけの色を運べているだろうか。色々と心配性なお前を満たす事が出来ているなら嬉しい限りだ。
心配性なお前も、俺は好きだ。甘えたがりで甘やかしたがりな所も好きだ。優しい声で俺の名前を呼ぶ所も、時々困ったように笑う顔も、そのでかい手で頭を撫でたり、頬に触れる長い指先も。離れ難い朝、駄々っ子になり掛けるのを堪えるような所も、本当に心から愛おしくて堪らない。時々見せる嫉妬も、全然嫌なんかじゃねぇんだ。妬く必要なんかねぇのに、と、それすら堪らなく愛おしいと言ったら…お前はやっぱり困ったように笑うんだろうか。

二人が出逢った春を、二人で迎えられるこの幸せはきっとお前も感じてくれてるだろう。青い花を愛でて楽しんだら、また種を集めておこう。秋にはそれをまた二人で蒔いて…青い花を増やして行こう。そうすれば何時か青い丘を、なんて考えるのは流石に夢見がちか。春を迎える度に増える青い花を楽しみにするのも、お前とだから…お前としか出来ねぇ事だからな。

お前とだから、俺は幸せだと断言出来る。…愛されていると、自信を持って言い切れる。お前もそう感じてくれていれば良い。迷わずに、俺に愛されていると言い切れる程…俺の想いが伝わっていてくれると良い。俺は今も、この先も。お前だけの俺だ。忘れずにいてくれ。

唯一無二の、かけがえのない最愛のお前へ。
365日の愛を込めて。
10 エルヴィン・スミス
…筆を取らなくなったのは何時からだったか。
振り返ればもう一年以上もここにお前への言葉を残していなかったんだな…私は。節目を迎える際には何時だってお前が傍に居てくれるから、その心地好さに満足して甘えていたのかもしれない。ふふ、決して忘れていた訳ではないぞ?ここは今も変わらず、お前との大切な場所だ。

月日の流れは本当に早いもので、お前と出逢ったあの日から2度目の大きな節目を迎えた訳なんだが…お前と過ごした日々はとても2年間とは思えないほどに濃密で、もっと古くから共に生きてきたような不思議な感覚に陥る。

なぁ…先日お前は自分自身の事を世界で一番の幸せ者だと言っていたが、そう感じているのは私も同じだ。
こんなにも愛しいお前が恋人として傍に居てくれて、こんなにも沢山の愛情を与えて貰って…これ以上の幸せを私は知らない。狂おしいほどに愛しいと、何に代えても傍で守りたいと…そう想える相手は後にも先にもお前だけだよ。
お前以外は要らない、お前でなければ駄目なんだ。お前が隣に居ない未来は考えられない。

二人で迎える3度目の春。
あれだけ綺麗に咲いていた桜は儚くも散ってしまったが、お前は何時までも私の隣で愛らしい笑顔を見せ続けてくれる…そう信じている。これからも一緒に歩んで行こう。この先もどうか、私だけのお前で在り続けて居てほしい。


隣でテレビを観ている可愛いお前へ。
愛の言葉は、直接。
11 リヴァイ
お前がこの世に生まれた日を祝って、感謝しよう。
この場所に想いを綴るのも久々だな…、直接伝えてぇ言葉は既に届けている。だが偶にはこっそりと綴るのも悪くねぇだろう?

お前と過ごす日々の中で、色んな事があったな。サプライズ好きなお前に何度驚かされて、何度喜ばされた事か。お前はそれすら楽しんでるんだろうな、きっとそうだ。そんなお前を俺も喜ばせてぇし、驚かせてやりてぇと思っているんだが…悔しい事になかなか上手くいかねぇ。だが、それでもお前は喜んでくれるんだよな。それが堪らなく嬉しいし、何よりも幸せだ。
…可笑しいな、お前の誕生日を祝う言葉の筈が、俺が嬉しかった事を綴ってるじゃねぇか、脱線した。
改めて、だ。この日をまたこうして祝えて幸せだ。お前が生まれた日を祝うのは俺だけだ、そうだろう?最愛のお前がこの世に生まれて来てくれて感謝するのも、俺だけだ。
おめでとう、エルヴィン。
プレゼントは現在進行形で渡してる…って言って良いんだろうか、あれは。
最後まで喜んでくれりゃ嬉しいし、何ならおかわりで他にも、ってのも選択肢のひとつだと、こっそりここに記しておこう。

愛おしくて何よりも誰よりも大切なお前へ、おめでとうと、ありがとうを。
大切な言葉は、お前に直接届けよう。