1 ミケ・ザカリアス

12月8日

今日がなんの日か、エルヴィンは覚えているだろうか。
奇しくもその年に判明してしまったが、誕生日がわからないと言った俺にお前がたくさん悩んで考えてそうして贈ってくれた大事な日だ。
俺にとっては11月だけでなく今日という日もまた誕生日に他ならず、お前と再び巡り会って触れることが許された奇跡を記すにはピッタリの日だろう。
いつもの日誌ではなく花とメッセージカードを選んだのは昔そうやってお前に宛てた記憶があったから。たまには悪くないだろ。
さて、お前専用の毛布は今夜も部屋を暖めて共に眠れる夜に感謝しながら毛繕いしている。良い子で待てをしておくから、もちろん褒美は……エルヴィンなら言わなくともわかってるはずだ。
お前が見つけてくれることを願って、目立つように赤く色づいたナンテンを一枝添えておくとしよう。