1 リヴァイ

ハンジへ

クソメガネ、何してやがる。
予定よりかなり長引いた遠征から帰還して、まずお前に面を見せに行ったら…どうやらお前は、あれから部屋には戻っていないらしい。お前はちゃんと生きているのか、気掛かりだ。
それとも、あの直前の件が理由で飛び出しでもしたかと考えると捜索する手が止まる。せめて、お前が無事なら良い。俺からは何も言えん。
もしこれで関係が終わるなら、それもまたいいだろう。俺はまた行かなきゃならねぇ。生きて帰れる保証なんざ無い。

あぁ、だがまぁ…、最後に…いつものクソみてぇな阿呆面が拝めりゃあそれで安心だがな。
すまねぇが、気持ちを表すのはこれが精一杯だ。後は、…どう言えば良いかわからねぇな。お前がいたら、教えてもらえただろう。このクソ程モヤついたよく解らねぇ感情の表し方、吐き出し方を。

お互い、再会する気持ちを持って無事に生きていりゃあいつかまた逢えるだろう。
俺はもうお前を守れる範囲内には居ない…。生き残る工夫は忘れるな。何処かでしっかり生きていろ、必ずだ。
2 リヴァイ
久しいもんを引っ張り出しちまったが…新しく綴るよりもいいだろう。

あれから今までの言葉を辿り懐かしんだ。
そして今日置いた離別の言葉を確認した印を見ると、どうにも部屋を出るのを躊躇った。結果出たがな。
お前が嫌がっていた離別の挨拶を置いたこと、それは詫びる。こんな場所で詫びてもという感じだが…。

随分前に言ったな。「俺は相手と話しているだけで、生きている事を実感できる」と。
あまり女々しい事は言いたくねぇが、ようは話すことも滅入っちまったお前の言葉が無いことに俺が滅入っただけだ。あとは…互いの身体の調子やら何やらと色々だな。それとは別に、俺の気落ちが激しいのも理由だ。何処へ吐露していいかわからねえ感情とやりきれなさがある。お前がいたのなら、愚痴を溢していたかもしれんな。そんな事にならず良かったが。

お前の力になりたかったのは本心だ。また昔のように触れ合ったりも望んでいた。
次に会う機会があるなら、話すだけでも十分だが…目一杯甘やかしたいとも思っている。

あとどれくらい、生きているかはわからんが、まぁ精々あの巨人共に抗って気長にお前の回復と再会を願うことにする。

どうすりゃあお前と昔のように他愛ない話で互いに楽しみ、悩んでるときは力になることが出来たのか、どう言葉を掛けてやれば…長く居れただろうな。完全に俺の力不足だ。今はそればかりを考える。