1 リヴァイ

無題

今日で5ヶ月だった、本来なら。まだそれだけしか経ってなかったんだな。俺は何故あんな事を口走ってしまったんだろうな…本当はただ羨ましかっただけだった。時間を戻す事が出来たならあの時の自分を殴り飛ばしてやりてえ。悔やんでも悔やんでも、失ったもんはもう返って来ねえ。俺が自分の手で壊した。
お前が居ねえと何も手に付かねえし眠れねえ夜を過ごしてばかりだ、端から見りゃとんだ笑い者だろう。お前の居ねえ世界は全部色が無くなったみてえに見える。忘れるなんて無理だ、思い出になんて出来る訳がねえ。こんなにも行かないでくれと胸の奥で叫んだのは初めてだ。それぐらいに、愛していた。
俺はまだお前の事を何も知ってやいなかった。もっとお前の事を知りたかった。もっと色んな話をしたかった。もっと…傍に居たかった。お前の隣に、立ちたかった。手離す気はないと言ってくれたのを馬鹿正直に信じていた…がそれは俺の思い込みだった。きっと欲張っちまった罰だ…出会った時からあいつの目に俺は映ってなかったじゃねえか。俺の事なんざ見てなかったじゃねえか。それでも、ただ傍に居られるだけで、他には何もいらなかったのに。それを忘れて調子に乗っちまった俺は救いようの無い馬鹿だ。…そう思うだろう。
欲張って悪かった…、まだ忘れられなくて、好きでいてすまない。
…なあ、本当はもう一つあったんだ。今年の抱負。やっぱり叶えられなかったな。最後まで、お前は俺のもんだって…一度も言えなかった。