1 エレン・イェーガー

無題

オレが家に帰らなくなって一ヶ月以上が経ちました。いえ、正確には帰れなくなった…です。最後に兵長と話してから色んなことがありました。あの場所を覗くことも、ただの一言声を掛けることも出来ない状況でした。最近は少しずつ落ち着いて、やっと兵長のことも考えられるようになったんです。…なのに、こんな場所に言葉を綴っているのはオレが臆病者だから。もうオレのことは待ってないんじゃないか、家を出たまま戻ってこないオレに愛想を尽かしてるんじゃないか…とか、そんなことを考えて怖くなって…直接顔を見ることが出来ませんでした。さようならを告げることもしたくなくて、そんな言葉を兵長に言いたくなくて…全部オレの都合ですね。我ながら自分勝手で最低なクソ野郎だと思います。兵長が大好きだから離れたくない。自分の都合であなたを縛り付けてしまっていました。今会いに行けたとしても、またたくさん待たせてしまうことになる。会えば決断が鈍ってしまう。だから……今度こそ、本当の。

もうすっかり寒いですから体調を崩さないように、いつも笑って、どうか…幸せに。

愛してます。
2 リヴァイ
お前は、俺のエレンだろうか。

勝手だが、鍵を残す事を許して欲しい。

・共に過ごして3年を過ぎた
・以前にも、一度家出をさせた
・新しい家の鍵を数種類渡した

いつまでに戻る、とは告げて行かなかったお前をずっと待っていた。
二週間、三週間と過ぎても声を掛けられなかったのは、またハッキリと別れを告げられるのが怖かったからだ。

あぁ……上手く纏まらねぇな…。

どれ程待つ事になったとしても、一緒に居たいと願った気持ちは、今も変わっていない。
お前の邪魔にはなりたくねぇし、別れの言葉が辛いなら、云わなくても良い。
…最終的な判断はお前に委ねる。

決断を鈍らせちまうような事をして済まない。

有り難うな、エレン。いつまでも愛している。