エルヴィンと私のお姫様へ

今更こんな場所で、女々しく私達が再会を望む言葉を連ねるのはどうかと思うけれど……それでも、貴方達がこの場に訪れている可能性に賭けて、この言葉を残したい。

もう貴方達に私達の声が届く事は、二度と無いのかも知れない……そう分かってはいても、どうしたって何の前触れも無く、何も告げずに、貴方達の元を去ってしまった私達の言い訳まがいな言葉を…何故貴方達の元を突然去ってしまったのかを…私達の話を聞いて欲しいんだ。……なんて…そんなエゴばかりの思いで筆を取った所で、貴方達は私達を赦してくれはしないんだろうけど…ね。

鍵は幾つもあるんだけど、
その中でも一層手掛かりになるものを。


〜鍵〜
・私は性別上【男】として貴方達と接していた
・私達はお互いのお姫様とやり取りをしていた
・記念日にはお互いに思い思いの
プレゼントを贈り合った
・岩塩のランプ
・最後に貴方達と言葉を交わしたのは
昨年のクリスマス


私達は今も変わらず同じ宿を使っているから、私達とやり取りをしていたエルヴィンと私の可愛いお姫様なら、この鍵を頼りに私達の元に来る事が出来る筈なんだ。


……もし愛しい貴方達にもう一度巡り会えたなら…真っ先に謝罪と私達への変わらぬ愛を伝えたい。
信じられない事に、探していた私のお姫様とエルヴィンにもう一度巡り会う事が出来たんだ。

彼等とのやり取りが途絶えてしまってから、随分と長い時間が経ってしまっていたから望み薄だったんだけど……本当に良かったよ。ああ…もう二度と、握り合ったこの手を離したくは無いな…。

改めてエルヴィンと私の可愛いお姫様にもう一度巡り会う機会をくれたこの場に、心からの感謝を。

みんなが探し人に巡り会える事を祈っているよ。