1 智之

無数の糸 -縁-

細く、いつ切れるか分からない
無数の糸


切らせてなるものかと
血豆だらけの手のひら
痛み堪えて力づくで引っ張る

端から見た僕は往生際悪い

吐いた言葉次第で糸は首に巻き付く
今、気がついた


首に巻き付いた無数の糸に
息は絶え絶え
それでも手放したくなかった