1 無名さん

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92 無名さん
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93 無名さん
俺の名前は芥部銀二、44歳、泣く子も黙る月森学園の学園長様だ。何?そんな風には見えないって?いいんだよ、人の上に立つ奴は俺くらいボンクラな方が何事も上手く行くもんだ。お前さんも大人になれば分かるさ。さて今日は俺がこの学園の案内をする事になった。耳穴の掃除のついででもいい、気が向いたらこっちに耳を傾けて話を聞いてくれよな。
94 無名さん
(降りしきる雨は天の憂いか、それとも死者の慟哭か。およそ一月の間、御前会議の開催を切欠として揺らいだ国境線は、刻々と変化する戦況によって前進し、あるいは後退して、けれど完全に崩壊する事はなく。累々と積み上がる死骸は赤き大地をいっそう深く昏く染め抜き、双方に苦痛を齎して、過熱した戦況が徐々に温度を下げ始めるのもそう遠くない頃合いか。つい一刻前までは両軍が刃を交えていた平原で、兵が退いたのち残るのは無数の屍と折れた武器。灰と化した木々や草地が雨に癒され黒い煙を上げる中、黒の総大将たる少女は、あろう事か岩に腰かけぼんやりと空を仰いでおり。大鎌の刃を大地に下ろし長い柄を右肩に立て掛けて、頬を打つ雨に思いを馳せるその足元には、いまや敵か味方かも判然としない骸が並ぶ。転がる死体は直接盟主が手に掛けたものではなく、むしろ屍竜がこの最前線に立ったのは兵が失せた後――ベスティエの軍が後退する代わりに盟主一人が現れたのだから、捉えようによっては殿を務めたと言えなくもない。とはいえ帝国軍も同様に退いた状況では鎌の刃は血曇りひとつなく、遠く見える純白のテント群を前にして、涎を垂らすが如く雨粒を滴らせるのみ。恐らくは敵陣からも己の姿は見えているのだろう。未だ矢のひとつも飛んで来ないのは正気の沙汰と思えない盟主の振る舞いを警戒しているのか、あるいは策を巡らせているからか。黒衣を纏った少女はただじっと、何かを待つように雨に打たれ続け)

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95 無名さん
『フフフ……ハハハ、ハハハハハハひゃーはっはっはっは! お困りのようだなデニッちゃんよォ! アタチの助けが必要かい!?』
(年数は本より、そもそもが法に則った建築であるかすら疑わしい安っぽい造りの御襤褸宿。その一室を借り入れて、最低限掃除されてはいるが誤魔化しきれない年季に曇った柵に湿った身体を預け、ごみごみした景観を眺めるでもなく紫煙を吹かせる独りの女の姿。ただそれだけで、一山幾らの娼婦では敵うべくもない艶っぽさを演出している彼女であるが、溜息を交えて吐き出す台詞は些かならず切迫を感じさせるものであり、凡そその艶姿には似つかわしくはなく。そして一体どうその言葉を聞きつけたのか何処からともなく、具体的には彼女が背にした部屋内の天井裏辺りから、恐らくは耳に覚えのあろう喧しく独特な高笑いがくぐもりつつも明朗に響き渡り)

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96 無名さん
(昨晩より続く灰色の空の下。西の国境が全域に亘って殺伐とした気配を深める中で、赤蓋府の市場を行き交う人々はむしろ増えていて。戦に巻き込まれては敵わんと帝国に入れず、さりとて御前会議に国そのものが殺気立つ連盟にもゆけず、そんな商人達が結局中間地点であるこの国、その経済地区に数多溜まり。客の方も張り詰めた世界の糸に堪えかねたか、要の有る無しに拘らず市場に出ては露店を巡り顔馴染みと会い、ある者は溢れる物に一時現実という不安を忘れまたある者は己なりに状況を理解したつもりになって束の間安心を得て。そんな市場の片隅で、腰を下ろして雑踏を見遣る赤茶けた鎧姿。隣では今日の商いを仕舞いにした商人が荷を纏め、僅かに頭を下げ去ってゆき、その後は戦地に向かうのだろう傭兵の一隊が続いて。激化した戦がこの地の賑わいを増すというのは皮肉な話かも知れぬとの思いが過ぎり、しかし)
――やはり、いかぬか。
(隣にいた先の商人、麒麟軍が"投資"している商人が語っていった現状は芳しくないもの。あまりに商人が多すぎ、通常であれば仕入れの関係上訪問時期のずれる者達まで一堂に会している様で。壮観ではあるが自然供給過多に陥り、既に価格の下落を起こし始めそれに伴う一悶着も見受けられ。そうした対応に麒麟軍は外境のみならず内にも常以上に張り付けねばならず。民にとっても物の値が下がり続けるのは今だけは良いのかも知れないが、やがて国境が落ち着き商人の出入りが再開すれば元の値に戻るのは明らかで、いやこの期間の損を戻そうと元より上がる事も十分あり得れば、物価の乱高下が民の生活を混乱、圧迫させるのは目に見えて。それが必需品であれば尚更の事、そして赤蓋府ではその種族の多様性故に、流入するあらゆる物が生活必需品と成り得る訳で――そこまで考えて、目を瞑って微かに首を振り。負の賑わいとでも言おうか、それでも市場は、人々はその生活を一心に守ろうとしていて。目を開けて、再び彼らを見つめ出し)

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97 無名さん
(燦爛たる白亜城が深き霧にて眠る未だ夜も明け切らぬ時分、唯一帝の御座す最奥に程近き一室は千を越える月日と変わらず既に目覚めの時を迎えていた。御仕着せのメイドの手を借りずしてヒトカタの闇が整える室内は正に整然、白翼の騎士を束ねし主の気性そのものに一分の乱れもなく、唯一、湯気と共に立ち上る薬湯の香にのみ包まれている。さて、その主と言えば入室して以来、執務室が中央―彼の者曰く“無駄に”豪奢な―応接ソファに痩身を預け、硝子卓上にうず高く積まれた書類へと無感情な虹色を行き来させる他一切の動作を排しており。まるで機械仕掛けの人形の如く規則正しいその様はされど僅かな空気の震え、短くも確かに溢された嘆息により不意に乱れて緩やかに停止し、細い指先が蓐収産の茶碗を包む事で完全に中断されるだろう)『――…』

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98 無名さん
(前線における戦況、自軍の負傷者と救護の対応、掻い摘んで語られるそれらの中に、己が求めた情報はない。過日、ネツァクと交戦したという竜爪の一人。前線に足を運べば相見えると、そんな安易な考えを抱いていたわけではないが。それでも双眸はどこかその影が見えはしないかと、無意識に戦場を探してしまい。部下から顔を逸らしたまま報告に耳を傾けていた最中、不審な巨躯の男についての言が混ざれば髪と同色の眉はごく僅かに歪み、男の特徴を問うべく騎士に顔を向け。その直後、炎が布を舐める不快な匂いが鼻腔を掠めると、ハッとして視線をそちらに向けよう。たなびく煙は未だ細く、己の位置からでは被害の全貌こそ見えぬものの、こと炎が相手となれば事態が一秒を争うのは考えるまでもなく)
一から三班で消火作業を。四、五は負傷者の移動。周囲の警戒を怠るな(半ば言い捨てるようにして部下に指示を与え、自分は火元へ向け走り出す。駆けながら双剣のうち一振りを抜き放ち、テントを迂回して――その先に目にした相手の姿が、よもや自分の幻覚ではと思ったのも、無理からぬ事やも知れず。金属質の靴音が近付く様は、おそらく彼の耳にも届いただろう。喉に詰まる呼吸を押し出すように吐き、左手に剣を構えながら、右はもう一方の柄を握り締め。己の部下を引きずるようにして進む暴熊の、その目線の先へと歩み出る。紡ぐ声は常の穏やかさを装いながら、その実、恐ろしく冷ややかに響き)
師団長がご所望なら、喜んでお相手しますよ。――バチカル。
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