Dear.ミツル

拝啓、茅野様。

久し振り、という言葉でも遠いくらいに長い月日が過ぎてしまいましたね。
秋になる度にあなたと過ごした日々を思い出し、冬を迎えるごとに交わした約束が脳裏を過ります。

元気に、していらっしゃるでしょうか。私は元気です。
今は留学したばかりのあの日よりもずっと流暢に日本語を操れるようになりましたし、メールもその、拙かった時より上達したんですよ!

…不思議ですね。あれから六年…七年、でしょうか。それぐらい経っても私はあなたを忘れられないのです。…ええ、だって、約束しましたから。針千本、怖いですもん。

随分とあの頃の記憶も曖昧になってきていますが、鍵を。
・出会いは×賚学園、夜の教室。
・私は一年生、あなたは二年生で先輩。最初はミツル先輩、と呼んでいた。
・別れは水槽ハウスで。忘れないって、指切りした。
・私はイギリスからの留学生で愛称はメル、飼っていた猫の名前はリト。
・私の方があなたより背が高かった。…すこし。
・PL名はルリハ。

本当のところをいうと、何度か…探してみたのです。だけど拒絶されるのが怖くて、すぐに消してしまったりを繰り返してしまいました。ごめんなさい。

充、私はわがままなのかも知れないです。あなたに、会いたい。
会って話したいことがすごく沢山あって…迷惑かも、しれないですけど、あなたがまだ私を覚えてくれているなら。
お願いです、どうか、会いに来てくれたら嬉しい。

今度は消さずに待っています。
…大好きです。
2 メル
未練がましいですね。

上げます。
これで最後にしますね。
前の連絡先では届かないかもしれないので、こちらで。

きっとあなたはもうこの世界にはいないのでしょう。
私自身、もう活動はしていません。生活環境も…随分と変わってしまいましたしね。よくしてくれた兄の方もとっくにこの世界からは去ってしまっています。

なのに…それでも、忘れられなくて…。
私にいつか特別な人ができるまで。それまでの特別でいい、ってあなたは言ったけど。
そんなの…今だって私の特別な人はあなただけ。ずっと…あなただけ。

大好きでした、ミツル。
あなたにさよならを言う日がくるなんて…思っていなかったのに。
これが最後で…もしあなたが私を見つけられても、正真正銘お別れです。

だけど充、あなたのことをずっとずっと…愛しています。