1 れん

被虐妄想2

真っ暗な砂浜を必死で逃げていた。あせりと砂にロングブーツの脚を取られ、
何度もころんだ。脚が重たかった。思うように走れない。
前方にぼんやりと建物の影が現われた。
あの展望台だ。階段のところまでたどり着いた。
「あった!」
バッグが置かれていた。なんでさっきは見つからなかったんだ。
その時だれかが駆け寄ってくる気配がした。
僕は慌ててバックをひっつかむと、階段を登った。壁に身体を寄せ、やつらが通り
過ぎるのを祈った。だが無情にもライトの光線が僕を捕えた。
眩しいー!
「金はあるよ。ほら!」僕はバックをを奴らの方に投げ捨てた。
大柄な男がバックの中身を確かめ、リーダーの男に頷いた。
「ブツは!」僕がリーダーに言うと、
「あるさ。 だがお前にはもっと良いものをやるよ。」
そう言うと、拳銃を取り出した。
「うそ。うそだろ。」
リーダーは、銃口を少し下に向けた。
5mと離れていない銃口の先には、僕の脚があった。
無防備に生脚をさらけだした僕の太腿があった。さらに銃口はわずかに下を向いた。
僕は首を横に振り、自分の脚に目をやった瞬間、パン!と乾いた音がし、僕の膝小僧に
激しい衝撃が走った。その瞬間はスローなコマ送りを見ているように見えた。
膝小僧の半ばを覆うハイソックスに弾がめり込み、同時に血しぶきが舞った。
丁度さっき、僕のペニスから濃い白濁液が放たれたように、今度は僕の膝小僧から
真っ赤な血が噴き出し、飛び散った。
(PC)
2 れん
驚いたように口を開け男を見た僕の目に、今度は銃口が少し右に振れ、僅かに男の
指に力が入るのが見えた。
やめて!と叫ぼうとしたとき、また乾いた音とともに、今度は右膝のハイソックスに
穴が開き、血が飛び散った。ドクドクと血が流れ出てハイソックスを染め、ロング
ブーツの中にも流れ込んだ。たまらず僕は前のめりに倒れた。
うめく僕を男は脚で仰向けにひっくり返した。僕をまたぐと銃口を下に向けた。
銃声が2度した。今度は左右の膝小僧のお皿を撃ち抜いた。ピクン、ピクンと膝の
部分が跳ねた。
「うぐぐ〜!」
二人の男が、倒れたままの僕の脚を片方ずつ抱えると。ナイフを思い切り、先ほど
銃弾のめり込んだ膝の靭帯を突き刺した。ハイソックスの生地を破り簡単に膝に
めり込んだ。
グキ!と嫌な音がしてナイフが止まった。さらにナイフをねじるように動かす。
グジ、ギギ、最後にグシャ!と音がした。
薄れゆく意識の中で僕の目の前に、穴のあいた二つの膝小僧が差しだされた。
残された僅かな力で頭をもたげ、それが今あった膝の部分に目をやると、黒く
大きな穴が開き、血が溢れ出て来ていた。
「いやああああああ〜!」波の音をかき消すような叫び声が自分の頭の中に響いた。
(PC)