1 エルヴィン・スミス

正直者の猫に宛てる。

お前が任務に就くこの時間帯も、随分と陽が傾く様になった。
一つの季節を跨ぎ、こうしてまた新たな月を迎える事が出来たのは、…その真摯な眼差し以上に真っ直ぐ向けられた穏やかな情の賜物だろう。
…今夜も迷わず帰っておいで。

──と。一つ言い忘れた事がある。私は物静かな104期生の言葉を代弁したに過ぎない。…理由は本人に聞きに行くと良い。
2 エルヴィン・スミス
やれやれ…。お前のサプライズには毎度本当に頭が上がらないよ。可愛いことをしてくれる。
お前が私を嗅ぎ分けられていたかは定かでは無いが…、恐らく数時間後には私の元に直接不服を伝えに来る筈だ。…そうだろう?じゃじゃ馬。

多幸や雀躍、時に暗雲の中で慟哭や焦燥に駆られながらも円満な結果に終着する、幸福に満ちた日々。
隣にお前無くしては成せなかった事は多々。
…言っただろう、お前と必ず春を迎えると。

──今日も変わらずお前を愛しているよ、糸しきお前。
憂いを表沙汰にしてしまった分、唇を拘束されてしまう事は覚悟しておこう。