1 ベルトルト・フーバー

ここに、約束を。

僕たちはそんな関係では無いから、きっと君が此処を覗く事はないだろう。
でも、どうしても記しておきたかったから…少し、吐き出してみようと思う。

出逢って数日、面白いくらいに僕は君に夢中で…手紙が届く度に驚くくらい心が踊る。それと同時に枚数を重ねる度、君を知っていく恐怖に心が泣くんだ。似た物同士な僕達の、感情がひっそりと涙を流す。
それはとても愛おしいのにとても儚いくらいの光で、掴んでしまうのが怖いよ。

臆病で卑怯な僕はいつか君の手を振り解いてしまうかもしれない。
隣を歩けないから、後ろから見守る事を選ぶかもしれない。

それなのに、優しい君は本当にこの手を離さないでいてくれるんだろう。
なんて、なんて…温かい君。


そんな君に僕が返せる物は何だろうって、考えた。繊細な君を、どうしたら包めるだろうかって考えたら…この方法を思い付いたんだ。
ひと月に一度、ここに感謝を綴ろうと。


イブの朝に願いを込めて。
君の幸せを今日もまた願うよ、マルコ。
親愛なる君へ。