1 エルド・ジン

ひねくれ者

表も裏もなく、疑う事も知らずに、ただ一途にあんたを好きでいられるほど、俺は子供じゃなくなってしまった。とうの昔に。

それは信用しているとかそうじゃないとか、そういう事では勿論ないんですが…ああ、なんて言えば良いんですかね。
強いて言うなら、格好悪くてアレなんですが、…嫉妬って感情なのかもしれません。

同じ姿、同じ顔、同じ言葉とくれば当然疑うこともある。
姿を変えた先のあんたの、目線の先にいる誰かを、意図せず睨んでしまうことだって。
そんな些細な一つ一つが気に掛かって仕方なくなってしまったんですよ。

俺は疑り深いし、ひねくれているし、子供特有の可愛らしさってものも持ち合わせてない。
あんたに問い詰めたい事も、吐き出せずに腹の中に溜めている言葉もたくさんあります。
それでも、

…それでも、あんたを俺一人のもんにしちまいたい。