1 エルヴィン・スミス

半年


出会ってから半年、
私はあっという間というよりいつの間にかこんなにも時が流れていたという感覚だが、お前はどうだろうか

出会ったのは忘れもしない暑い日の壁外調査の時だ
お互い久方ぶりにこの世界に戻ってきて一番初めの相手だったね。妙に、嫌な意味でなく浮ついた印象だったのを今でも覚えている。猫のように掴み所がよく分からなかったが一目惚れだった。それが私達の始まりで、お前はこう言うと笑うかもしれないが運命の出会いだったのだろう。
私が内緒でつけていた日記が見つかってしまい照れてしまうことや、私の任務が長引いて待っている間に買ってあげた例の物を抱き締めて待っていたこともあった
初めて夢にお前が出た時、一人で不安になっても支えてくれて疲れた時には私が買ってきたドーナツとお前が淹れてくれた珈琲で癒してくれた
寒くなりお揃いのマフラーと手袋を揃えたいと話し合い、互いの誕生日も祝い、年を越し、それまでにも数え切れない程愛し合った



思い出すだけでも愛おしさが今でも膨れ上がる
今だに照れる癖が抜けないのも、甘い物に目がないのも、すぐに頭を撫でろと言い出すのも、全て愛おしく、心から愛してる

半年もの間私と一緒に、隣にいてくれてありがとう。
これからもずっと隣で、私の膝の上にいてほしい。毎朝私に悪戯をして任務に出てほしい。



私の飼い猫へ、愛を込めて
2 リヴァイ
まさか同じことを考えていたとは…おかげで少し内容を変えることになったがこういう時も通じ合っていることが嬉しく思う。出会って半年、出会い方が稀だっただけにここまで続くとは互いに思ってなかっただろう。お互い重要な任務を背負う身、忙しい日々のなかでエルヴィンと触れ合う時間は大切で俺にとってはかけがえのないものだ。思い出は積み重なってたくさんあるが先月の俺の誕生日か…あれにはやられた…どれだけお前に惚れればいいのか分からない……きっと明日はもっと好きになっているんだろう。…だめだ、上手く言葉が出てこない。

男前でかっこいいエルヴィンも少し抜けていて可愛いエルヴィンも俺の前で見栄を張るエルヴィンも寂しくないよう気を遣ってくれるエルヴィンも甘やかしてくれるエルヴィンもたまに見せる意地悪なエルヴィンも膝の上に俺を座らせてくれるエルヴィンもただいまと言って頭を撫でてくれるエルヴィンも、前にエルヴィンが俺にくれた言葉を借りるが一つも外せない、エルヴィンの全てが好きだ。あとたまに俺のことを奥さんと例えるときがあるがあれは相当恥ずかしいものがある…俺が奥さんならエルヴィンは旦那……この件については直接話し合うべきだな…。こんなに誰かを愛すのも、愛されるのもエルヴィンが初めてで半年経った今でも恥ずかしさに負けて戸惑う部分もあるがそれでも二人で一緒に歩んでいければいい。何気無い日常もエルヴィンがいてくれるから幸せだと思うようになった。


また半年後、ここに言葉を残しにこよう。それまで…違うな、ずっとエルヴィンと一緒にいたい。エルヴィンの恋人として飼い猫として傍にいさせろ。こんなに幸せな気持ちになるのはエルヴィンが傍にいてくれるおかげだ。半年ありがとう。…何度伝えても足りないが大好きだ……愛してる。