1 ミカサ・アッカーマン

眠り姫へ華を。

公の場に露になるのは嫌がられるだろうか。それでも私の、あなたへの気持ちは抑え切れそうにないので…此処に華を添える事をどうか許してほしい。

もう新しい年になり、多忙な時期を乗り越えてからはあっという間に時間は過ぎていった。
去年の冬近くだったろうか、アニと出逢えたのは。遣り取りし始めた頃にお互いに気が合い過ぎて『何だか長い間一緒に居た感覚だ』と話していたのを良く覚えている。

一日に何通も手紙を送り合う程にあなたに惹かれ、今ではすっかりあなたの胸元へ甘えに行ってしまう位に愛しい存在になった。不覚にも、らしくないと…今でも思う。

今では私の体力が衰えて送り合う手紙の数も凄く減ってしまった。あなたはきっと寂しがっているのだと考えると孤独なんて私が駆逐してあげたい…と、余計に恋しくなってしまう。

ねぇ、アニ。今は少し離れてしまっている距離だけれど。いつでも私はあなたの傍にいる。あなたを置いては何処へも行かない…行けない。本音を言えば私の腕の中に閉じ込めて、翼を無くした籠の鳥の様に私の中へ隠してしまいたい程に酷く愛おしいから。…離せない。
だからこれからもどうか私の傍に居て、その優しい手付きで甘やかしていて。私だけのアニで居て。


傷付けてしまったあなたの眠る横に、静かにこの華を贈る。起きたら沢山抱き締められるように私も隣で眠りに就こう。

(/スペ感謝)