素直で可愛げのある室内犬から

まさかこの場に書き込める日が来るなんて夢にも思いませんでした。
一ヶ月前のあの日、震える惨めな俺を見つけた貴方。
お互いにこんな関係になれる相手だとはこれっぽっちも思っていなかったでしょうね。どうですか？俺は思っていませんでしたよ、こんなに大切にしたいと思う存在とまた巡り会えるなんて。

今だに何故俺を見初めて下さったのか分からないときがあります。
よりによって俺か、と。捻くれてると言われるかもしれませんが、だってそれくらい難あり物件ですもん。
だから、貴方には別の幸せな道を…と怖がりの俺は手を離そうともしましたが…。
結局離せなかったこの選択で、どうか貴方を泣かさないように出来たらってそればかり願ってますよ。

ねぇ、リヴァイさん。
好きですよ、すごく、大好きです。

ねぇ、どこまでなら許してくださいますか？俺は貪欲で我儘なクソガキなんです。
お願いです、全部…本当は全部欲しいんです。
いい子にしてます、貴方を失いたくないんです。

全くこういったやり取りに慣れていない貴方が、俺の為に書き慣れない筆を頑張って綴って下さっていたことを知っています。そんな貴方が少しずつ…俺に合わせるように頻度が増えて、文体も俺に似てきて、癖まで同じに見えます…。たくさん見てるんですよ、俺。
いつも俺のことを考えて慈しんで下さったことを知ってます。不安がってないか、寂しくないか、泣いてないか…。そんな他の人なら手間だと思うことを貴方はさも当たり前のように思わせて下さいました。
頼ってもいいのだと、もう一度誰かを信じてみたいと思えるようになりました。
貴方じゃなければ出来なかったことです。リヴァイさんが教えて下さったんです…この気持ちを。

毎日遅くまで働いてらっしゃいますね。それでも、1ヶ月前から毎日欠かすことなく側にいて下さった優しさに感謝しています。…本当は、激務に追われ疲れて帰ってくる貴方に無理をさせているんじゃないか、俺の存在は負担を掛けているんじゃないかと…何度も考えたことがあります。夜中に泣きついた回数だって…。それでもいつも許して下さる貴方に、この本音を言ったことはありませんが…言えばきっと貴方は笑って抱きしめて下さるんでしょうね。
つい最近、こんなことを言ってくださいましたね。俺と話すことで励みを貰っていると、幸せを感じていると。
…与えて貰ってばかりだと、ずっと、危惧していました。本当に本当に嬉しかったんです。何もしてあげれてるつもりはありませんでしたが、それでも俺の存在で何かを得れているのだというその事実に。俺の存在を求めて下さるなら、それだけで何かが変わると言うなら。
俺はこの心臓を、貴方のために働かせたいと思います。動き続ける限り、ずっと。

最後に。
もし一つ我儘を言うのであれば、どんな些細なことでも…日々の中で見つけた輝きをリヴァイさんと共有出来たらと思ってます。これからもたくさん、たくさんお話させて下さいね。それが俺の願いです。もっと貴方を知っていきたいですから、俺に全てを見せて下さい。


タイトルから下記へと。

"俺を護って下さる騎士のような貴方へ"

俺に寄越した文にあったもんとは真逆で矛盾した表題だな。
こういうところで甘ったるい言葉を吐くのは苦手だが折角の機会だからな、筆をとらせてもらおう。とはいえ人目につくところで赤裸々に書き綴る趣味はねえから恐らくお前を満足させられないだろうが許せよ。

さてお前と過ごしたこの一ヶ月は、そもそも一日…いやお前が眠るまでの話だったから数時間か、たった数時間のやりとりのつもりだったことを考えれば長かったように思う。
今でもどうしてあのときお前に声をかけたのかわからない。普段滅多に見ることのない場所で興味もなかった。その上お前が言葉を綴ってから時間経ってたしな。散々迷って余計時間くった挙句ろくに愛想もねえ言葉だったろうよ。そう考えりゃお前から言葉が返ってきたことの方が何故だかわからねえがな。
今となっちゃあの日足を止めた俺自身を褒めてやりてえし、こんな俺を気に入ってくれたお前に感謝している。

そうして一ヶ月、いつも俺の帰りを待っていてくれることに礼を言う。本当はもっとお前の言う我儘ってやつを聞いてやりてえ。お前は大丈夫だとか寂しくなったら言うだとか言ってくれているが、既に寂しい思いをさせちまっているだろう？日々我慢させて、お前の優しさに甘えてすまない。それでもお前は健気に笑顔を絶やさずいてくれるからなんとかしてえと余計思う。だからせめて不安になったら言え、辛いときは頼れ。夜中でも構わん。お前からもらってるもんに比べたら些細なことだが俺にできることならなんだってしてやろう。まずはお前の綴った可愛い我儘から応えていこう。

これからも俺は俺の心でお前を想い、俺の口で名を呼び、そして俺の足でお前の傍に行く。だから俺をお前にくれてやることはできない。その代わりお前と共にいるのは俺の意志であり紡ぐ言葉に嘘はないと誓おう。

細く頼りない糸のような縁を太く頑丈な鎖に変えてくれたことに、一度離したそれを握り直してくれたことに心から感謝している。
なあエレン。
俺はお前とこうして過ごすことができて幸せだぞ。

元甘えん坊のクソガキ――今は健気で素直で可愛げのある甘えん坊のエレンへ捧ぐ

まずは前回のお手紙についてお礼を。
俺がこの場に書き込んでものの数分でバレたという事実にもう赤面するしかないですよね、びっくりでしたよ。

俺のことをよく分かって下さってるからこそ気付いて下さったんだと思います。本当にありがとうございました。

さて、今日で貴方と恋人になってから一ヶ月ですね。

たったひと月なのに様々なことがあったように思います。でもどれもこれも幸せな思い出ばかりです。
あまり人目につく場所で惚気るのもあれですが、心の底から格好良いと思える貴方と恋人だなんて本当に鼻が高いです。
あまり可愛い姿を外で見せるなと言われているので、今日は貴方を如何に恥ずかしがらせるかという事を重点にしようと思います。

まず、恋人になってから本当にたくさんキスして下さるようになりましたね。とても嬉しいです。あと、身長差のせいもあるかもしれませんが、胸に顔押し付けて甘えて下さる仕種が本当に可愛くて大好きです！実はけっこう恥ずかしがり屋ですよね。隠すことないですよ、会った頃からじゃないですか。それと…寝起きの貴方ほど可愛いものはないと思います。寝ぼけて無条件に擦り寄ってきて下さるのを見てると本気で鼻血が出そうでした。

…さて。そろそろ赤面というか羞恥通り越して青筋立ててそうなのでこの辺りでやめます。でもそんな貴方も大好きですよ。


…Mein Prinz.


前回恥ずかしくて隠してしまったこれをここに。
貴方は俺をとても魅力的だって言ってくれるけど、それは違う。
他の誰でもない、俺の中の“俺”をいいと言って認めてくれた時から、貴方以上の人なんて要らないって思ったんだ。
それこそ、病めるときも健やかなるときも…だっけ？そんな言葉を具現化したような人だ。俺のリヴァイさんは。

最近ますます忙しそうで心配だけど、…全て曝け出せとは言わないから、辛くなったら好きなだけ寄りかかって下さいね。俺は貴方だから許すんです、分かってるでしょ？
…周りから分かりづらいと言われるらしいですけど、俺からすれば貴方は本当に分かりやすいですよ？まぁ、素直に感情表現して下さってるからかもしれませんけど。例え俺にだけだとしても、それさえやっぱり嬉しいです。

つい最近一緒に過ごせた非番も心から幸せでした。…そんなに格好いいのに全てにおいて俺が初めてとか、なんかもう嘘ん臭い気さえしますけどね！
でも本当にそうなんだろうから、この先も貴方の初めては俺以外には譲りませんから。再度覚悟しておいて下さい。…また叶うなら、俺に触れて欲しいと思ってます。今度は…俺も貴方に触りたい。


毎朝欠かさず声を掛けてくれた優しい貴方へ。11本の薔薇の花束を添えて

“お早う、エレン”
と、毎朝天気の話しかできねえ俺を、お前はどう思っているだろうか。
洞察力があって敏いお前ならきっとわかってるだろう。
俺を知りたいと言ってくれたお前のために、俺は一体何ができるだろうかと考えた結果がこれだ。
よくしゃべる癖に気の利いた話題のひとつも出てこねえと最初こそ落胆したが、今は結構楽しんでいる。
なあ、明日は晴れるだろうか。

ところでお前は俺の恥ずかしいことを暴露するのが趣味なのか？
前回も寸でのところで殴りてえのを堪えたわけだが今回もやりやがったな……お前少し黙っとけ。
なんてな。案外悪い気はしてねえ。
立場を逆転させるつもりはねえし俺に向かって可愛いっつーのはどうかと思うが、お前とならなんだっていい。

なんだかんだでまだたった一ヶ月だが、お前とこうした仲になって知ったことは多い。
俺のことを知ってもらおうとひとり画策している最中にも意外と多くのことに気が付く。
好みが合うというのは案外嬉しいらしい。
好きなものを覚えてもらえることはかなり嬉しいらしい。
己を知ってもらえることは嬉しい。

最近漸くそれに気が付いて、気が付いたが最後もっと知ってもらいてえと思うようになった。
とはいえこの俺だからな、変わらず天気の話ばかりだろうがもう少し俺からも話をしていきたいと思っている。
そしてなによりも、お前の名を呼べる日々を愛おしく思っているんだと、これだけは知っておいてほしい。

ああ、そうだ。
お前からもらったその花束は2本抜いて残りをお前に返そう。
だが飾るときは同じ花瓶に入れさせろ、いいな？意味は察しろ。お前ならわかるだろ。


互いに忙しい毎日が始まったな。
もしかしたらもっと忙しくする日々もあるかもしれない。寂しく思うことも多々あるだろう。
だが俺は時間ではなく、温かい掌と穏やかな心を重ねて行きたいと思っている。
もちろん、他でもないお前と。

だからどうか明日もこう言わせてくれ。
“お休み、エレン”

男気溢れる割に乙女趣向なお転婆お姫様のエレンへ捧ぐ

二ヶ月が経ちました。あれ？二ヶ月ですよね？一ヶ月を過ぎてからは本当に濃厚な毎日だったので、それだけの月日しか経ってないなんて思えません。

さて、ここに何を残しましょうか。
語りたいことは山ほどあります。それも幸せな思い出ばかり。

それでも、泣き虫な俺は嬉しいときも切ないときもやっぱり泣いてたような気がします。

あの人はまるで魔法使いのような人なんだ。
今までにも俺にたくさんの魔法をかけていった。
一瞬で笑顔に変える呪文、温かく守ってくれる揺り籠のような腕、幸せにしてくれる唇。

一番は、俺が恋に落ちる魔法をかけていったこと。

悔しいことにこの魔法は全然解けそうにない。
俺も同じ魔法をかけてやろうと思ったけど、生憎俺はちょっとずる賢いくらいのただのクソガキだったことに気付いた。…あなたを恋に落とす呪文だけでも教えてくれればいいのに。

流れ星にも、たんぽぽの綿毛にも、お願い事をする。

“どうかあの人を俺に下さい”

俺はあなたしか見えてませんよ、彼岸花の君。
毒が回ってとても苦しい。でも、生きてるという実感がする…。


閉じ込めたかったのは、はたしてどちらの鳥か分かりませんが…あなたの鳥は喜んで鳥籠に戻ることをお忘れなく。

来月も、あなたを抱きしめて今日を迎えられることを願って。
心の底から、誰よりも愛しています。

いつここへ言葉を返そうかと悩んでいたが当日から結構すぎちまった以上、どうせなら何か節目の日にと。何も告げていなかったからすっかり返ってこないと思われていそうだが予告するのは好きじゃねえし…不安にさせたなら悪い。

さて、出会って3ヶ月が経ったらしい。
たった3ヶ月なのかというのがお前と過ごした日々を振り返っての感想だが、飽き性で面倒臭がりな俺がまさかそんなに長く誰かと共にいることになるとは思ってもいなかった。だから些か驚いているんだ。それと同時に、相手がお前だからできたのだろうとも思っている。

3ヶ月前のあの日から随分変わった。
捨て犬みたいだと思ったお前は、わんぱくな犬っころで、かと思えば兎のようなのに、時々驚くほど強い。ネガティブな思考に嵌り蹲って動けなくなるときもある癖に、俺が一歩退けばそれ以上の距離を詰めて俺を引っ張っていく。主導権を渡すつもりはさらさらないが随分頼もしいやつだなと思うようになった。

呼び方が変わってからも随分経つな。いつのまにか役職は聞かなくなったし、表記も変わった。最初は擽ったくて仕方なかったそれも最近漸く慣れた。お前は知らないだろうが、呼ばれる度にそこに込められた気持ちを思って、俺はお前を抱きしめたくなるんだ。

これは最近気がついたことだが、非番の日も早く目が覚めるようになった。平日の分まで惰眠を貪り午後に起きるような一日をすごすのが非番の恒例だったはずだが、お前からの鳩が10時、11時頃に来るもんだから無意識のうちに気にしているんだろう。窓を開けるために、来なければこちらから鳩を向かわせるために、起きるようになっていた。そうして微睡みながらお前と言葉を交わすのを何よりも楽しみに思うんだ。


人はこんなにも変わる。1番近くで見ていたお前ならわかるだろう？
なあエレン。俺をここまで変えたのはお前だ。
これから俺やお前はどう変わっていくだろうか。それぞれの変化が互いに何をもたらすだろうか。
それを楽しみにしてすごしていきたい。


そして今日も変わらない愛をたったひとりのお前に。

ふと考えてたんです。俺に出来ることってなにかなーって。精神的にも肉体的にも強くない俺ですけど、あなたに見せれる誠意をどんな形で発揮すればいいかなって。

実は0時ピッタリになにかアクションを起こすことにすごく拘ってる訳じゃないんですよ。ただ、なんか昔からの癖というか習慣というか…嬉しさが伝わるのはそういう時刻も関係するのかなって実感してるところがあるので。

そんなふうにも考えながら、俺ができる最も簡単な誠意の見せ方が“0時ちょうどにあなたへメッセージを綴ること”なのかなって思ったんですよ。

だからと言ってあなたには同じようにしてほしいとは思ってないですから、絶対無理しないでくださいね？
…先月の14日にも、21日にも同じように幸せを貰ったので。これ以上は調子に乗っちゃいそうですからね…。

前回はよりよく変化を遂げたというあなたを教えて頂きました。なので今回は変わらず続いてる素敵なところはないかと探してみました。

ワガママ放題の俺なのに、あなたはいつも『我儘なんて言われてないぞ』って言って下さいますね。怖がりで沈みやすい俺を気遣って下さってるのもあるでしょうけど、いつもその言葉で俺を甘やかして下さってありがとうございます。
あの日から変わらず愛を囁いてくれますね。
俺の体中至るところに口付けて下さる仕草がとても好きです。

手が冷たくていつも寒い寒いと嘆いていた冬の季節から、俺の大好きな桜の花弁が舞う季節へと変わりました。
来月はあなたの為に用意された季節だと思っています。今迄以上の幸せを与えれるように頑張りますから、楽しみにしていて下さいね。
移り変わる季節の中であなたへの感謝と愛慕だけは変わらぬように、これからも捧げていきたいと思います。

俺の最愛へ。

出会って4ヶ月か。
お前が傍にいることを当たり前のように思えるようになって結構経ったな。それはとても嬉しくもあり、だが同時にいつかのように慢心することのないようにと日々心掛けている。

その一方で最近は帰りが遅く寂しい思いをさせているな。
昼間も、文を交わすことはできても長く綴ることが難しくなった。気が回らず愛想が悪いと思わせるような言い方になっていることも多いだろう。
普段寂しいと言わないお前が、ピンク色の文字で漏らした本音に申し訳なさで一杯になった。俺の都合を押し付けているんじゃないかと、お前は俺といて辛くないだろうかと不安に思うこともある。俺は自分勝手な野郎だろう。それでも手を離すことができねえ。そんな俺を受け入れてくれて有難う。

この4ヶ月の間に本当に多くのものをお前からもらった。まだ何一つとして返せていないように思う。欲しい言葉をくれてやることも難しく、支えきれていないときもある。寂しがるお前の傍にいることすら満足にできていない日もあったな。これからも俺にたくさんのものを与えてくれるお前に、それらを返し切れる日は来ねえだろう。だがせめてほんの僅かでもいい、日々楽しく生きる手助けができるようにとお前だけを思いながら傍にいよう。

だからエレン、これからも宜しく頼む。

四ヶ月記念日、おめでとうございます！

この日にここに此れを綴っていいものかと多少悩みましたが、あなたに普段伝えられない感謝を表せるのがこの場所だと思っています。
なので今日も一枚、あなたへの想いを込めさせて下さい。

ミカサと話をしたんです。あいつは真摯に俺の話を聞いてその迷いのない芯のある瞳で俺の言葉を聞いてくれました。
その中で気付いたことがあるんです。
“ああ、俺は昔と何も変わってないクソガキなんだ”…って。

悲観的になった訳ではありませんよ、事実を受け止めて反省する機会があるというのは本当に有難いことです。
…先日、あなたにひどい言葉を投げかけてしまった俺は…上記の通り本当にクソガキだと思います。
この四ヶ月間、大事に大事にしてきてくれてあなたに向けるには余りな言い方でしたね…ごめんなさい。
そして、俺が一番恐れている言葉をあなたに言わせてしまいました…

…リヴァイさん。俺はミカサと話して、なんとか自分の答えに辿り着くことができました。
結果は、“今日もあなたと二人で笑いたい”ってことです。

俺は誰かに助けて貰わないと簡単に挫けて、自分の言ったことさえ満足に果たせなくて、あなたを傷つけてしまう不完全な存在です。
でも、誰かに頼りながらでも…自分の道を歩いて行きたいと思います。
そんな情けなく歪な俺と…どうか一緒に歩いてみて欲しいんです。

綺麗で、いい子な俺にはなりきれません。あの日あなたに見つけていただいた俺です。

それでも、今日あなたに幸せだと。
楽しいと、俺の大好きな微笑みを向けてもらえるようにしたいと思いました。

四ヶ月という素晴らしい時間をくださったあなたと、今日から始まるまだ知らない大切なあなたへ。

愛しています。今日も心からのありがとうをあなたに…。

出会って5ヶ月だそうだ。
幸せが増えるとお前が言っていたように、確かに日々幸せに囲まれていたように思う。

この5ヶ月でたくさんのお前を知った。勿論まだまだ知らないお前がいるのだろうが、ひとつまたひとつと新しい一面を知る度に俺とお前は別の人間なんだとそんな当たり前のことを思う。何気なく放った言葉がお前を傷付けて、泣かせて、そして喜ばせる。そんなことで泣くのかと不思議に思うこともあれば、その程度で喜んじまうのかと己を恥じることもある。わかっているんだ、お前を喜ばせることはきっと頭で考えるよりずっと簡単なことなんだと。格好つける必要も無駄に洒落た言葉もいらねえんだと。些細なことで喜ぶお前を心から大切に思っている。

最近…いやここ数ヶ月か、忙しくて悪い。わかりやすく昼間の連絡頻度が落ちてお前に寂しい思いをさせていないか、そればかりを考える。そしてコミュニケーション不足か単に俺に余裕がないだけかはわからねえが傷付けて悪かった。折角甘えようとしてくれていたのにな。それでも俺はここから去るつもりはなく、これからもお前の傍にい続けたいと思っている。

他人っていうのは不思議だな。こんなに違うのに一緒にいれるのか。どんなに違っても望む幸せの形が同じならいいんだな。
お前のお陰で幸せだと言える日々に感謝を。

この前まで待ち侘びた春の陽気だったというのにもう梅雨の時期に入るようですよ。気づけばあなたと一緒に過ごした期間も五ヶ月ですか…そりゃ四季も様変わりしますよね。

忙しさを嘆いているあなたにはこの梅雨の季節は負担にしかならないかもですね。執務に追われているのにじめじめとした湿気や蒸し暑さ、憂鬱な雨の中を馬で本部まで向かわなければいけない状況、思い通りにいかないことへの苛立ちとか…不安要素は尽きませんが、なにより側で何か手伝えたらどんなにかと思うことがあります。
…所詮は新兵な俺が何ができるのかって話ですけどね。叶うなら、いつでも触れられる場所にいて、身の回りの世話をして…好きなときに抱きしめてあげたいです。
新しい実験が始まろうとしている俺が言うのもアレですけどね…でも俺はちゃんとあなたほ隣に居るってことを忘れないでください。
…まぁ、梅雨で憂鬱なあなたかもしれませんがでもこの時期しか味わえないものをあなたと見つけられる楽しみもありますよね。紫陽花や睡蓮はもう見せましたが、今度は俺似のてるてる坊主でも作ってみますから。二人で楽しみを見つけて行きましょう。

前回あなたと俺は全く違う人間だとあなたは言っていましたね。
改めて俺も考えてみて、本当にそうだなっておかしくなりました。
性格も好みも年齢も背格好も、何もかも違って正反対な俺たちです。
それでも…互いが互いを求めあえている点だけが同じなんですよね…その事実をあなたの言葉を受けながら再認識していました。
違うということは俺にとっては魅力的です、知らないあなたを更に知りたいという探究心に繋がります。…なんて貪欲な俺はどこまで追求しても飢えが満たされることなんてないんでしょうけどね。
だからこれからも俺の知らないあなたで居てください。一つ一つ見つけて日々あなたを愛して行きたいと思ってますから。

何も変わらなくて、それでも目まぐるしく変わる毎日を下さる俺の唯一へ。
今日も変わらぬ愛を誓います。大好きですよ、リヴァイさん。
今日からもまたよろしくお願いします。

お前には何もしなくていいと言われたが、それも味気ねえだろ。
だから筆を取ることにする。

ついにお前と出会って半年だ。
1日1日を思い返してみれば半年って期間はクソ長えもんだが、出会った日は昨日のことのようにも思う。

前回お前が言っていた新しい実験の調子はどうだ。
日々の訓練に加えて実験もやってくのは疲れるだろう。
毎日クソみたいに暑いしな。
無理をしていないかどうかは気掛かりだが…、お前ならその辺りもうまくやるだろうと信じている。
ただ、辛いときはちゃんと報告を怠るんじゃねえぞ。
何しろ俺も本部に呼び出されてばかりで夜遅くに古城へ戻る生活だ。
お前の様子に気を配るにしてもどうしても限界があるからな…。
無論気遣う気持ちを忘れることはしないが、苦しくなる前にどうか声を上げてくれ。

会えない時間が愛を育てるなんて言うらしいが、今ならそれも理解できるような気がする。

まず此処に貴方が覗きに来るのがいつだろうと想像します。
実はいつもの癖でぴったりに覗きに来てたり……なんて言ったら余計怒られそうですね。なんで此処に書いてんだ、とかなんとか言って怒りながら、それでも何処か心の片隅で嬉しいと思ってくださったらいいな、なんて。

平和を愛する貴方なのに、非凡な体験を何度もさせてしまう俺。面倒くさいと思うことも困らせたことも何回あったでしょうか。一年の半分以上も越えてしまいましたね、…本当にすごいです。

貴方はどうして俺の側にいてくださるんですかね？最近の俺を振り返って、やっぱりダメなところしか思い返せなくて余計不思議になります。
そんな貴方は結局俺のお願いを聞いてくださって今も変わらず側にいてくださって…。

俺、こんな感情になったの初めてなんですよ。
いいやって。それでも貴方の側に居られるならって、…それくらい貴方は俺にとって価値ある人でした。だってあなたを…。

昔発した台詞が正解だったのかなって思います。俺の“騎士”のようだって。

貴方があのポジションでないなら、騎士くらいなってくださいよ。…これはおねだり。
まぁそんな肩書き無くとも、半年以上も守ってきて下さった貴方は其れだけで恰好良いんですけどね。

貴方以上のリヴァイなんて、この先も俺には必要ありません。…何回も何回も言ってきた、世辞も嘘も言えないクソガキの本音です。


最愛のリヴァイ兵長へ。今日も愛を込めて。