1 マルコ・ボット

初めて

できた恋人が、お前で良かった。

ありがとう、僕の大好きな人。
初めてお前とキスをした時、柄にもなくドキドキしたんだ。

きっとあの時、僕はお前に恋をしたんだろうな。
2 ベルトルト・フーバー
「可愛い」って言うと怒る、可愛い君へ。

殴るし甘えるし、照れるし不安がるし、忙しい君を見ていて退屈した事は一日もないよ。でも二度と殴られたくないから、精一杯の言葉をここに残します。

泣かせてごめん、不安にさせてごめん。君が居ない毎日なんて、僕が耐えられるわけがないんだ。そしてそんな毎日を、君も耐えられるとは思わない。…そうだろう?マルコ。

君がもう泣かないように、不安にならないように、僕は努力すると誓うよ。たくさんの時間を一緒に過ごして行こう。君は僕のものだ。

ハッピーバレンタイン、マルコ。
お花も嬉しいけど、君が欲しいな。

君の腰巾着より。
(何かが違う気がする)
3 ベルトルト・フーバー
一ヶ月だよ、マルコ。

こういう日を迎えるのは正直久々なんだ。つまりは君と出逢うまで、僕は一人を長く愛そうとして来なかった。そういう意味では僕は誰のものでもなかったし、誰も自分のものじゃなかったんだよね。

君が沢山の初めてを僕に捧げようとしてくれて、僕は君に何を返してあげられるかなって思ったら、結果的に僕の毎日も初めての事ばかりだったって思う。
茶会で知り合ってこれだけの月日を共に過ごした人は君が初めてだし、惚気茶会に出席したのも初めて。別れ話の言い合いも初めてで、裸エプロンして貰ったのも初めてだね。

君を愛して、君に愛されて…。強過ぎず弱過ぎないこの柔らかい関係が、とても居心地の良い物だと感じてるよ。

ねえ、マルコ。不思議とこの先も君の手を引いて居られる自信があるんだ。僕にとってはそれだけ特別なんだよ、君が。
だからこれからも、宜しくお願いします。一歩一歩確実に進んで行こうね。

毎日をありがとう。愛してるよ、僕だけのマルコ。
4 マルコ・ボット
ああぁ…、日付が変わってしまった。
僕を大切に大切に愛してくれる、僕の腰巾着へ。

1ヶ月。お前とあの日結ばれてから1ヶ月経った。
思えば最初から僕達の恋路は波瀾万丈だったな。まず連絡先を交換しそびれるところから始まって、時間がすれ違ったり、早々に別れ話を持ち出されたり。色々大変ではあったけど、寂しい思いや泣いた夜もあったけど、決して退屈しない1ヶ月だった。
最初は実感がないだとか宣っていた僕が、今はお前と過ごしてるとどうしようもなく好きだって気持ちが湧き上がってきて、胸が暖かくなるんだ。これがきっと幸せってやつなんだな。
今じゃきっと…お前のいない毎日なんて耐えられない。お前が好きで欲しくて堪らないんだ。

日付を見れば分かるかもしれないけど、実はさ、この板はお前に一度別れを切り出された直後に立てたんだ。だから、最初のレスはお前への別れの言葉のつもりだった。
それがこうして、お前への愛を綴る場所に変わって、まだお前が隣にいてくれる。なんだか泣きそうだよ。あ、嬉し涙ね。

お前の特別になれて嬉しい。お前が久しぶりに長く愛そうと思えたのが僕なら、これ以上の幸せはないよ。
裸エプロンの件は後で闇討ちでもして奇麗さっぱり記憶から消去するとして、僕よりずっと手慣れてそうだと思っていたお前から……幾つかの初めてをもらえていたとは驚いた。あはは、これじゃあ僕もお前の「初めての人」みたいだな。

僕からも、この前は不安にさせてごめんな。お前は僕のことをよく把握してて些細な変化にも気づく…本当にごめん。もうあんな気持ちにはさせないから。

僕も、お前と同じ気持ちだよ。お前となら長く、この先を歩いていける気がする。お前の隣は居心地が良い。これから先も僕の手を引いていて。よろしくお願いします。
お前は僕だけのものだよ、ベルトルト。

お前を愛してる。初恋をお前に捧げてよかった。大好きだ。
お前の優等生より。
5 マルコ・ボット
追伸

お前に「ボットちゃん」と呼ばれるのは案外嫌いじゃない。
6 ライナー・ブラウン
ボットちゃん、と呼ばなくなって早一ヶ月。ベルトルトのあだ名も考えないとだな。ベルはどうだ?フーちゃんも良い。可愛いお前にぴったりだ。

時間を割いてやれなくて済まない。寂しい思いをさせてる事は勿論自覚してる。この文を用意するのに数日を要する俺を、懲りずに待っていてくれるお前に何をしてやれるだろうか…。

詳しくはまた伝えるが、少しだけまた余裕が出来るかもしれない。そしたら約束したお返しを渡してやる。こうしている今も訓練を抜け出して厠から鳩を飛ばす始末だ。情けないな。

ベルトルト、俺にはお前だけだ。これからもお前の元に帰らせてくれ。いつも感謝してる。愛してるぞ。
7 ベルトルト・フーバー
来月の目標:君が寝落ちる瞬間を見る

君がこの日の始まりに文を載せるなら、この日の終わりに言葉を返すのが僕だ。どんなに忙しくても時間を合わせてくる君に……正直、惚れ直した。
愛称は別になくてもいいのに。でも、その二択ならベルかな。フーちゃんはさすがに恥ずかしすぎるよ…。

ライナー、今月もありがとう。もう2ヶ月経ったんだね。今月は互いに会えない日々が続いたけど…、相変わらず君のことを想ってる。大丈夫、僕は待ってるから。君は君の本分を果たせばいい。
…ごめん、嘘ついた。やっぱり寂しい。ライナー、らいなぁ、早く会いたいよ。君に触れたい。君を抱きしめて、キスをして、君は僕のものだって印をたくさんつけてあげたい。
次に会ったら、いっぱい抱きしめて。この手を握って離さないでくれ。君の体温は安心するんだ。

あとね、一つお願いがあるんだ。今度、機会があればでいい……会った時に寝落ちするまで粘ってくれないか。
君はいつも隙がない。なさすぎると言ってもいい。いつも、君は眠くなったらちゃんと途中で止めて僕を寝かしつける。見送ってくれる。しっかりしてると思うよ。でも、僕は…そんな君が僕の腕の中でうっかり眠ってしまう、無防備で隙だらけな姿も見たいんだ。君の寝顔を見せて?だめ?

ライナー、僕も君だけ。君が全てだ。僕は君の帰る場所になるよ。君を癒せる存在になりたい。今月もお疲れ様。来月もよろしく。愛してるよ、僕の戦士。
8 ベルトルト・フーバー
少し遅れたけど、3ヶ月、だよ。

今月は最後に一波乱(というほどのものでもないけど)あったね。
結果としてまた君の傍にいられることになって嬉しい。正直こんなに長く続くなんて思ってもみなかった。……「3ヶ月の呪い」なんて話はよく聞くけど、僕はそれを密かに恐れていたんだ。
僕は君が好きだよ。君と離れる時間が長くなっても、君に触れる機会が減っても、まだ君を好きだと思うし待とうと思う。君と別れる時が来るのが怖いと思う。君は普段は自信満々で「離れたいって言っても絶対離してやらないからな、逃げたきゃ殴ってでも逃げろ」なんて言うくせに、いざとなると急に弱気になって僕の幸せのためならと宣って簡単に手を離そうとするから……いつも不安、なんだ。本当はね。

僕の幸せは君の隣にある。信じられないなら何度でも言おうか?君と話してると落ち着くんだ。幸せな気分になって、穏やかな気持ちになる…。君だってきっとそうだろ。同じように感じてるはずだ。
確かに決して刺激的な恋ではない、でも僕は、この木漏れ日みたいな心地好さが好きだ。何にも代えがたいと、そう思う。そういう魅力が君にはあるんだよ、ライナー。
だから、もう僕の手を離そうとしないで。僕を幸せにしたいと思うなら、いつでもちゃんと僕の手を掴んでいて。
僕も、君の手を離さない。君は僕だけのものだ。君が振りほどこうとしても容易には離してあげない。

僕みたいな人間を受け入れてくれるのは君くらいしかいないんだ…。
ねぇ、ライナー。僕は君の帰る場所になるよ。だから君も、僕の帰る場所になって?
3ヶ月ありがとう、これからもよろしくね。
9 ライナー・ブラウン
お前の提案を呑まずに、手紙を返す事も無くここへ言葉を残す理由は、言わずともお前なら理解してくれるんじゃないかと信じて。

自分勝手なのは俺も同じだ。結局はお前の事情なんて何一つ汲んでやれなかった。返事をすればきっとお前を抱きたくなる。友人だなんて名ばかりで結局はお前を縛ってしまう事に違いないと、そうは思わないかベルトルト。

多くは残さない。心からの感謝だけがお前に届けばいいと思う。
10 マルコ・ボット
最後はお前が見初めた僕の姿で。ボットちゃん、と、そう呼んでくれ。

あぁ、分かっているとも。お前がそうした理由くらい察しはつく。
僕を抱きたいと思う気持ちも、僕を縛りたいという気持ちも、それは悪いものじゃない。迷惑なものじゃない。僕だって同じだ。言ったろ?もっと縛ってくれてよかったと。僕も、同じだけお前を想っていた。
きっと僕にはお前を愛するだけの器量が足りなかったんだ。

お前の気持ちは受け取った。だから僕も、ここに気持ちを置いていく。
お前と共に越えられなかった4ヶ月を。ライラックとアザレアの花束を此処に。