1 リヴァイ

二度と誰も好きになんてならない

そんな恥ずかしいこと言って泣いてたクソガキ。そう、お前だ。心当たりがあれば見ていけ。

本来なら昨日書き込む予定だったが、どう書くべきか考えている途中に寝落ちた。…俺だって寝落ちることくらいある。
そもそも、こんな場所で話さなくたって俺はもともとよく喋る上に素直だからな。伝えたいことは普段から伝えているつもりだ。だがまぁ、たまにはこんな趣向もいいだろ。なにしろお前を拾って3ヶ月…兼、貰ったモンのお返しの日だったからな。…昨日は。


お前を拾ったのはただの気紛れだった。
悲壮なタイトル、本文は…好きだった男のツラで抱いてくれだの抱かせてくれだの書いてあったが、俺には殺してくれって言ってるように見えた。クソみてぇな募集だと思ったが、消えない募集が気になって仕方ない自分が面倒臭くて声をかけたのは、そんなに死にたいなら俺が殺してやればいいと思ったからだ。そうすりゃ記事は消えるだろうからな。消えなけりゃ鼻で嗤ってやる。

ところが…実際抱いてみれば、初めてだっていう身体は至極良かった。殺すのが惜しいと思う程度にはな。

クリスマスだ前日だって世の中が浮かれているあの日、残業で忙しい最中お前にメリークリスマスと声を掛けたのは、手放すのが惜しいと感じ始めてたからだ。

正直なところ、こんなのは予想外もいいところだ。
毎朝の挨拶をしにこいなんて他人に言ったのは初めてだし、毎日帰ってくるたび届くメールに対して律儀に返信をするのも初めててだな…。
それに、同じツラだっていう昔の男に腹が立ってたまたま見かけたからって難癖つけにいくのも、それで余計にムカつくのもだ。なんでこんな面倒臭ぇことしてんだって自分に腹が立ったが…やっちまったことは仕方ないだろ。軽い黒歴史になったが。
…ただし、気分は悪くない。自分が知らない自分の一面を知れた…とも言うな。

毎日積み上げていく時間を、些細な会話を、お前がどう思うか、価値のあるものにするかはお前次第だ。そして同時に、俺次第でもある。

だが俺は、お前を拾って後悔したことはないし、引き留めたことを満足もしてる。
当然、これからも手放すつもりはない。

エレンよ、異論はないな?

分かったら、キスをしにこい。


お前が落ちていたことに対する感謝と、お前への愛を添えてー…