1 エレン・イェーガー

最愛の蜂蜜色へ

別れの挨拶もそこそこで、きちんとした礼も言えなかったのが心残りで。
お前はこんなとこ見ねぇだろうけど、これはオレなりのけじめだ。

7ヶ月間隣に置いてくれて、ありがとう。
半年の記念日に見たお前のウェディングドレス姿は、今まで見たどんな女の子よりも綺麗だった。お前となら、この先何があっても乗り越えられそうな気がしたよ。

何度も手を離そうとして、その度に掴んでくれたその大きな手がだいすきでさ。過去形に出来なくてごめんな、あいしてるんだ。

お前の新しい任務が始まるのに合わせて、少しでも頼り甲斐のある男になろうと思ってな。ここ数日、勝手に脱仔犬計画を企ててたんだ。ほら、いつもより男前だったろ?なんてな。お前から別れを切り出されるって分かってたら、馬鹿なことしてねぇでもっとたくさんキスしておけばよかった…なんて、今更後悔しても遅いか。

正直な話、年末年始は本気で任務が忙しくて何度も仕事なんて止めちまおうと思ってた。でも、どんなに疲れて帰ってもお前があたたかく出迎えてくれたから…クソみてぇな任務も頑張れた。愛の力ってすげぇよ、本当に。
ありがとう。

お前への気持ちを断ち切ることはできそうにねぇけど、そろそろさよならしなきゃな。

ダーリン、あんまりがんばりすぎるなよ。
飯はしっかり食え、野菜もな。
風呂で寝る癖もいい加減になんとかしろ。
お前はどこに行っても好かれるだろうけど、変な奴には引っ掛かるなよ。

もしさびしくなって、もう一度オレなんかの恋人になっても良いって思ったら…いつでも鳩を寄越せ。
今度はもっと、お前をしあわせに出来るように頑張るから。

それじゃあな、体調にはくれぐれも気を付けて新生活を送ってくれ。
これからもずっと、応援してるぞ。

あいしてる。