1 エルヴィン・スミス

一ヶ月

君は此処など見ていなさそうだが、折角の記念日だ。何か記すとしよう。記念など覚えているのはまた少女趣味だと言われてしまうかも知れないな。

先ずは一ヶ月、傍に居てくれて有り難う。慣れず拙い私に何時も付き合い、時には叱咤してくれる君と、何処か自信無さげな私は相性が良いのかもしれないな。落ち着いたおじさん同士のやり取りは、まるで日向ぼっこしているかの様な心地だよ。日々の癒しだ。

これからも長いか短いか分からない余生を君と良いものにしていけたらと思う。温泉も楽しみにしているよ。

簡潔に済ませる事にしよう。
愛しているよ。私のリヴァイ。
2 エルヴィン・スミス
彼処には書ききれなかった事をこの場に。此処しか吐き出せないんだ。

今日は…何時にも増して君を楽しませられたのか全く自信がない。君は大人だからこんな事はきっときにして居ないだろう。

それに、たった五分、君の就寝を伸ばしてしまった事が胸に刺さって…申し訳無くて胸が締め付けられる。私はどうやら、どっぷりと君を深く愛してしまったらしい。…年甲斐も無く…自分が怖くて堪らない。

今日会ったばかりなのに君が恋しくて眠れない。

…恥ずかしい。これも流してくれ。
3 リヴァイ
放っておいてくれと言われて放っておける程に素直で無くてな。
悪いな、エルヴィン。

気紛れで募った俺の言葉に温もりをくれたのがお前だった。
それからもう直ぐ二ヶ月になるのか、本当に早いな。
恋仲になると大抵不安に駆られる俺では有るが、お前に関しちゃ全くそれが無ぇのは忙しい癖に決まった時間にちゃんと連絡を寄越し毛布に入って来てくれるお前だからこそだ。
…感謝してる、心から。
だから俺に出来る精一杯でお前に伝えようと思う。
まあ、余り言葉は上手く無いが。

愛してる、エルヴィン。
お前と付き合ってると大事なものが増えていくな。
生涯、共に。
4 エルヴィン・スミス
リヴァイ、返信有り難う。此所に返事が有ると言うのもまた感慨深い物だな……(目頭抑え)

前の記事は、弱っていた時に書いた物だからね。改めて読むと恥ずかしい。スルーしてくれ。

また二ヶ月の時に書き込もうと思っていたが、…先日は指輪を受け取ってくれて有り難う。きちんと給金三ヶ月分だよ。…誓いの証が欲しかったのかも知れない。兎も角あんなに喜んでくれるとは思わなかった……私の全身全霊をもって君を守ると誓おう。

リヴァイと出会ってからお互いがお互いを必要とする対等な愛情と言うものを始めて味わった気がする。君の側では気負わず自然体で居られる。…度が過ぎない様に時には説教を頼むよ。君は意外に表情が豊かだから笑わせたくなってしまうんだ。

改めて、私の傍に何時も居てくれて有り難う。愛してる。生涯を共に歩もう。
5 エルヴィン・スミス
此処に残しても良いものか迷ったが…旅立つ前の最後の記念に綴ろうと思う。

先ずは二ヶ月有り難う。…まだ二ヶ月だ。信じられるかい?君と過ごした日々は数こそ多くないが濃密で穏やかな、何年も一緒に過ごした様な錯覚さえ起こすそんな時間だった。喜怒哀楽全て…ん、余り怒った事は無かったね。リヴァイは良い子だから…と、大人だ。怒られてしまうな。兎に角、家族の様な、そんな理想の関係と言いたかった。言葉足らすでもどかしい。


しかし永遠に続くのではないかと思われた関係に転機が訪れた。だけどそれは別れではなかった。心底安堵している。少々環境が変わるが、これからも寄り添いながら生きていける事に感謝する。

君との旅立ちがより良い物になる事を祈って…出会いをくれたこの場所に感謝をしつつ筆を置こう。

愛してやまない君へ。返信は要らない。
6 エルヴィン・スミス
久し振りにここへ綴ろうと思う。

今日で私達が出会って半年になるな。振り返ってみれば、私達は永遠と思える様な平和な時間をあの箱庭の様な世界で過ごして来たね。それも、擽ったくも穏やかな、まるで少年と少女の恋の様に初々しい逢瀬を重ねた。勿論それだけでは無いが。

最初から今まで、少しもペースを落とす事無く半年も続いた相手は君が初めてだ。どんなに日々の支えとなった事だろう。感謝をしてもし尽くせない。有り難う、リヴァイ。

相変わらず拙くて旦那らしく無い、時に突拍子もない私の我が儘に、嫌な顔一つ見せずに寧ろ楽しんで付き合ってくれる、そんな君が大好きだ。

これからも君としたい事が尽きないだろう。どうかずっと傍に居て、大人びたその微笑みを見せてくれ。

そうしてくれたなら、私はずっとリヴァイの方を見て咲く向日葵になろう。…少しキザだっただろうか?


出会ったあの日から、愛しい気持ちが溢れ続けている。この身体は君で満たされている。最早少し前の私とは別の生き物の様だ。

改めて半年、有り難う。君の傍でしか生きられない私より、私の全てへ。