1 エルヴィン・スミス

出来過ぎた私の恋人へ捧ぐ

本当は記念日や何かしら目出度い時に書くのが一番だと考えたが、…何故だろうね。心が導く儘に、愛用の万年筆を手に取ろうと思う。

出来過ぎた恋人だと常日頃から思っている。
…と言うとお前は『そんな事は無い』と何時もの口調で言い返して来るだろう。

私がこんなにも充実且つ、日々を乗り切れているのはお前のお陰だと、本当に感謝をしている。毎日遅く迄私の隣に居てくれる者になど出会った事が無く、只々毎日が新鮮で、色鮮やかで…。鳩を待つのが待ち遠しいと、お前と共にある一日一日が過ぎる度に其の気持ちは弱まることを知らないようだ。

私が長期の壁外調査に出掛けた際にも、他に目もくれず唯ひたすら健気に帰りを待って居てくれた事や、身体の事を本当に心配してくれた事…。有難く思って居る。

私には出来過ぎた恋人であり、けれども誰にも渡したくは無いかけがえの無い者だ。

お前が思って居る以上に、私もお前を愛している。どんなお前でも私は受け入れられると、そう確信している。

辛い時は辛いと言ってくれ。
淋しい時は淋しいと…。
そして、どうしても私が足りなくなったら名前を呼んで欲しい。

必ず抱き締めに帰る。
これからも私の隣に居て欲しい。


最愛の恋人へ
…愛を込めて
2 エルヴィン・スミス
困惑した表情は嫌いじゃない。

仕方ないと飽きれた表情も、目を細めては私を愛おしげに見てくれる其の表情も、眉間に皺を寄せて臍を曲げたり、叱咤する表情も嫌いじゃない。…いや、常に見たいとそう思える。
ポーカーフェイスの様で気持ちに素直な其の表情達を。

然し、こんな私でも苦手な表情がある。私の事で我慢する表情、申し訳ないと謝る表情、視線を落としては細く微笑む表情…。
苦手かつ、其れとは矛盾した『狂おしい程、愛おしい』感情が生まれる。

悪趣味だろうな。多分…。

其れを見て愛されていると実感する瞬間があるなんて。きっと憂いを帯びるお前が綺麗に見えて眩しくて、其れが私の事を想ってだと考えるからなのだろう。こんな綺麗なお前に愛されて私は本当に幸せなんだと…そう実感するのだろう。

どんな事があっても其の手を離さない。
離して欲しいと、お前が私に願う迄。

共に過ごそう。
お前との時間は私にとって________。

愛している。心から…お前に負けない位、ね。
3 リヴァイ
お前自身も大変な時期だったのに目を逸らさず向き合ってくれたな。
別にその時に限った話じゃない、俺がつまらねぇ事で臍を曲げようがお前はいつも俺をその広い胸で受け止めてくれる。
それから、お前が思いもしないところで寄越す言葉に、俺がどれだけ心を乱されているか知っているか?
ろくな反応を返してやれねぇせいでつまらない思いをしているかもしれないが…心臓のあたりが一杯になるような思いに蹲ってしまいたくなる時すら本当はある。

…そんな自分には随分と勿体無い人間の傍が本当に居心地が良くて、どうにかこの場所を失うまいと俺は日々足掻いているわけだ。
「出来た恋人」なんて大層なもんじゃねぇ。
お前は俺が出会ってきたどの人間よりも魅力的で、俺はずっとそんなお前の背を追いかけている。
本当にイレギュラーな出会いをしたあの日から、今も変わらずずっとそうだ。言葉ひとつ行動ひとつとっても敵わねぇと思う。
…こう言うとお前は否定をするだろうな。だがこうして想いを伝える事にも、お前の何倍も時間がかかっているこの事実を見ればよく分かる筈だ。


互いの身の回りの事情も少しずつ変わって、最近は俺が待たせることも多くなった。
俺はお前のように上手く心の内を言葉や手紙にして届けてやれないから、寂しい思いや不安にさせる事もあるだろう。
けれどお前に負けない位、お前の事はいつも想っている。出会った時よりもずっと強くな。
だから何も心配するな。俺の帰る場所は、お前の隣の他にはない。


愛してる、エルヴィン。
夏が終わったら、寄り添う事が苦じゃねぇ季節が来る。
俺はこれからもお前の歩む道を共に行きたい。お前の見る先を、隣で見ていたい。
何もかも問題が無い日々にはならないかもしれない。それでも、お前とならまた乗り越えていけると思ってる。
…まぁ、てめぇの顔に拳を叩き込むことくらいはもしかしたらあるかもしれないから、それなりに覚悟はあったほうがいいかもな。


さて、最後になったがお前に一つ、俺から頼みたいことがある。
以前から考えていたことだ、此処に書き記してもいいんだが…それは直接言う事にしよう。


俺のエルヴィン・スミスへ。
出会って四ヶ月目の今日に。
4 エルヴィン・スミス
お前が愛おしくて堪らない。

こんなにも人を求める事なんて、正直無いと思っていた。だから、私はこの感情をどう制御して良いのかわからない。

抱き締めても、唇を重ねても、身体を求めても消えない。…抑えられない。
増幅する、恐ろしい病だと…私は思う。お前は光で有り、脅威だ。巨人よりこの人類より…私にとっての脅威だよ、お前は。

自分が自分で無くなりそうだ。
もう一層の事、なくなってしまっても良いと考える程に…。愛してる。いや、もう其の先をお前という存在は超えているよ、リヴァイ。


私にとってお前は、恋仲でなく《最愛》だ。

満足に会えなくなる日が近づいている。
心はいつも側に。お前を想っている。


お前のエルヴィン・スミスより。
愛を込めて。
5 エルヴィン・スミス
出逢って五ヶ月目の今日に。


お前から来た『自惚れてる』という言葉。
確かに私は自惚れてる。

私をこうさせてしまったのは、誰でも無いお前だ、リヴァイ。お前の愛は私にとって心地良い。とても、安らぐ。甘え過ぎてはし無いかと時折振り返っては、見て見ぬ振りをしてまた甘えてしまう。

深く深く、お前に溺れる。

其の息が出来無い位の苦しさも、胸の締め付けも…どれもお前が与えられるものなら、私は喜んで受けたいとそう思ってしまう。其れ程、お前の言動や行動、愛言葉に一喜一憂してしまうんだ。

締まりの無い恋人で、至らない点の方が多いと思う。変に嫉妬したり、執拗に心配したり、無理をさせたり。其れに対して、疲れた時や辛いと思った時も有るだろ。
其れでも側に居てくれるお前に、私は本当に心底惚れている。

だから、これからも共に歩みたい。
お前さえ居たら他には何もいらないよ。


また来月も、次の月も、其のまた次も…お前と祝いたい。お前と居たい。


愛しているよ、リヴァイ。
五ヶ月目の今日に。そして、この先も共に。

エルヴィン・スミスより。
6 リヴァイ
さて、早いものであれから一ヶ月。
俺とお前が出会って五ヶ月があっという間に過ぎちまったな。

最近感じているのは、俺は甘えが過ぎるようになったと思っている。
出会って幾らも経たないうちに一緒の布団で寝るようになった人間が今更、と思うかもしれないが。

以前は俺は「俺」らしく在らねばならないという思いがあった。
勿論それは今も無いわけじゃない。
…だが、俺を本当に大切に扱ってくれるお前の傍にいるうちに俺はいつの間にかどんどん甘ったれて行って、今では背を叩いて貰って眠りに就いて、一日に一度は当たり前のように唇を交わす、人類最強が聞いて呆れる人間になっちまった。

2割はそれを幸せだと感じている俺自身の所為だろう。
8割はハッキリ言っててめぇの所為だ、どうしてくれる。
いっそなくなってしまえば、なんてクソみたいな事を言ってる場合じゃねぇだろう、お前がいなくなったらこの先誰が俺をこんな風にした責任を取る?
エルヴィン、お前はこの先も俺の傍に居なけりゃならねぇ。

来月は壁外だな。このところお前が心なしか不安を抱えてるような気がしてる。
だが何にも心配しなくていい、きっと上手く行く。
俺はいつでもお前の傍にいる。

お前のリヴァイより。
7 削除済
8 リヴァイ
ろくな祝いの言葉も浮かばないが…お前が生まれたことに心からの感謝と、これからの日々もそれなりにいいものである事を祈ってる。

明日からはまた少し大変な時期になるが、俺はいつでもお前の傍にいる。
疲れたり、辛い時は何時でも頼れ。
俺は常にお前の支えでありたい。

おめでとうエルヴィン、お前の誕生日を祝えて素直に嬉しい。
心から愛している。
9 エルヴィン・スミス
半年目の記念日に。

お早う、リヴァイ。お前は俺の誕生日に夢中で…というか気を取られていてもしかしたら忘れているかもしれないね。今日で俺たちが出逢って半年だ。とても素敵な半年目を迎えられて俺は嬉しいよ。

本当はこの言葉と共に鍵を渡そうかと目論んでいたが、寝るときのお前の嬉しそうな姿がそうなれば見れなかったのだと思うと、先に渡して良かったのだとそう思た。

丸々5ヶ月。お前との日々は何れも楽しくて毎日が幸せの様に感じる。此れからも仲の良い恋人でいてくれ。

お前の恋仲で良かった。
此れからも共に時を刻もう、リヴァイ。お前がくれた懐中時計と共に。


愛しているよ、リヴァイ。
10 リヴァイ
気を付けてはいたんだが、今月はお前の誕生日に集中しすぎちまったな…
お前とのことは大事にしようと決めてたんだが、元々の記念日とやらはそう気にしない己の性分が憎い。


お前とは長く過ごせるとはっきり確信を持ってる、それに一ヶ月なんてあっという間だろ?
現にこの半年は、あっという間だった。
決して適当に考えているとか、そう言う訳じゃ無いんだが…
まぁその辺りは俺がごちゃごちゃと言い訳を連ねなくてもお前ならちゃんと分かってくれてると思う。

俺のプレゼントなんて霞んじまう程のお返しをもらった。
お前が壁の外にいる間は、鍵を回す音が俺を毎日幸せな気持ちにしてくれるだろう。
俺が贈った時計がお前の胸の近くで秒針の音を小さく立てていると思うと、それも擽ったくはあるが悪くねぇ気分だ。

…お前が出発する前に、もう一つ頼みたいことがある。
それは明日直接言うとしよう。


半年目の記念日に。
11 リヴァイ
7ヶ月目の記念日に、気弱になっちまってるお前に送る。


体調を崩してて尚且つ日々激務に追われてりゃ、誰しも思考が後ろ向きになる事は仕方ねぇ。
そんな時は誰にだってある、俺も同じ状況ならそうなるだろう。

俺はお前の隣を離れたいと思ったことはねぇし、少しくらい放っておかれたとしても、
お前が壁外に行ってしまう前にそんな事は覚悟もしてた。
寧ろ忙しい中毎日鳩を寄越してくれてるお前に感謝してるくらいで、
本当に嬉しく思ってる。感謝の言葉より、小言が先に出ちまって悪いとは思ってるが。


女や子供みたいに、寂しがったり駄々をこねたほうがもしかしたらお前は安心するのかもしれないな。
だが俺にはきっとそれはできない。そんなことはお前の為にならないと思ってるからだ。
俺の今の望みはもっと単純で、お前が元気に任務を終えて帰って来てほしいと、それだけだ。

お前から身を引こうとする言葉を聞かされた瞬間は、そりゃあ悲しくてしょうがなかったぞ。
毎日毎日、今日は飯を食ったのか、ちゃんと眠れたのか、熱をまた出したんじゃねぇか、
腹の具合はどうなったのかと、アホみたいに心配している俺の気持ちをもっと理解しやがれ、馬鹿野郎。

「早く寝ろ」と伝える度に冷たく思われてるんじゃないかと考えることもある。
それでも、隣で面倒を一つ一つ見てやれない俺にできることといえばお前を早く休ませてやるくらいだ。

お前を支えたいという思いしか今の俺にはない。
触れてもらうのも、お前の得意な甘い言葉を聞かせてもらうのも、
そんな事は全部終わって、お前が戻った後でいい。


だからエルヴィン。
てめぇは自分の体を大事にして、しっかり任務をこなしてこい。
俺のことは何も心配いらない、ちゃんと待ってる。


いい子にしてろというお前の言葉に健気に従ってる俺の思いが少しでも伝わることを祈って。
12 エルヴィン・スミス
1日遅れてしまった事に対して謝罪を。

7ヶ月目を迎えた。激務に追われながらもお前の事を片時も忘れた事は無い。寧ろ追われているからこそ、其の存在が大きく心や頭の中で膨らみ俺を支配する。

特別何もしてやれない俺に、何時も何時も気遣いの言葉と心配と、そして少し増えた愛言葉。…『愛してる』と言われる度に、俺には帰る場所が有るのだと安心する。

其れなのに、心にも無い事をお前に投げ掛けてしまった俺は言葉では言い表せない位、愚かな男だっただろう。一体俺は“誰”の為になると思ってあんな言葉を吐いたのか…と考えれば考える程自分でも分からないんだ。

俺はお前がとても大切で、手離したくは無い。…初めてだった、こんな想いは。自分でも戸惑う位依存している。お前と居ると俺は弱くなる。毅然としていたい、弱さを微塵も感じさせたくないと思っていたのに、其れでも良いと思える程迄になっている。お前に甘えてるんだ、此れでもね。

真っ向から飾らないお前が俺の前に立ちはだかったせいか…、甘い言葉よりお前の言う、其の“小言”とやらが多いせいか、其れは定かでは無いけれど、俺はそんなお前の言葉も気持ちも一つ一つが愛おしいと思っている。

此れからも有りの儘のお前で、俺の側にいて、支えてくれないか?俺はお前が居ればなんだって出来るような気がしている。

リヴァイ。お前の手を離したりはしない。
心から愛している。
13 エルヴィン・スミス
リヴァイ、お前と寄り添ってあっと言う間に半年が過ぎ、そして8ヶ月目を迎えた。特にこの半年以降はお前に特別支えて貰った気がする。有難う。

...唐突かもしれないが、俺はお前に頭が上がらない。何故こんなに離れずに居てくれるのか、俺の何処がいいのか時折考えてみるけれど、答えが見つからないんだ。まぁ、自分の事を良く思うほど俺は自分に酔ってはいないから尚更なんだろうが。

此処を立ち上げた時に咄嗟に出てきた表紙の名、出来すぎた恋人...此れは今も変わらないんだとそう思う。...同じ顔は其処らにごまんと居る。どんなお前よりリヴァイ、お前は俺の中でお前らしい。理想の..なんてそんな言葉で纏めるつもりは無いが、俺はきっと...お前を求めていたんじゃないかとそう思ってる。

其れくらい俺はお前に溺れている。出会った時より、今の方が酷い。此れは年を取る度に重症化して、最終的に末期になって。終わる事の無いこの症状を引き摺りながら、俺はお前の中で死んでいきたいとそう思っている。...あぁ、あくまで例えだからね。残して逝ったりはしないよ。

...なぁ、リヴァイ。永遠なんて事は万に一つの事なのかもしれない。けれども其れを信じる事は大切なんじゃないかと...そう考える。俺とお前は永遠をもしかしたら築けないかもしれない。だけど、結果そうであっても、お前と俺が過ごした日々も此れからの想いもきっと二人が望めば永遠になると思わないか?

俺はそう思いながらお前との一日一日を大切に過ごそうと思う。
どんな日々であっても、此れからもお前と共に。

PS、壁外が無事終了できたのはお前のお陰だ。此れから空いた時間は二人で有意義に使おう。


愛している。

エルヴィン・スミス
14 リヴァイ
あっという間に八ヶ月目だ。一ヶ月は思い返してみると短い。
お前が壁外に行っちまうのを見送ったのがついこの間のような気もする。
ろくに何かをしてやる事は出来なかったが…こうして無事に俺の元に戻ってきてくれた事が本当に嬉しい。
少し体調への心配は残ってはいるがな。まあ激務は過ぎたんだ、そのあたりは今後ゆっくり向きあうとしよう。
それからお前が帰還するということに気を取られて、記念日をすっかり忘れていた事は改めて謝罪させて欲しい。

お前の文章を目にしたが…俺はお前が思うほど出来た人間じゃねぇよ。お前と同じように俺も自分自身のどこがいいのかよく分からん。
それに永遠だとか、そんなに深いことに頭が回るほど賢くもない。そういう難しいところを考えるのはお前に任せた。
ただお前のことを好いていて、傍に居たいと思っている、それだけの人間だ。

一日一日を大切にして、俺もこの先もお前の隣を歩みたい。
お前となら全く難しいことではないだろう。

長い間本当にお疲れだったな。お帰り、エルヴィン。
お前も戻ってきたことだ、この先は何をしようか。
寒い日にお前がこれからは隣に居る日が増える。
それだけで、俺は嬉しい。

八ヶ月の記念に。


リヴァイ
15 エルヴィン・スミス
九ヶ月目の記念日を迎えた。

先ず、懲りずに俺の隣にいてくれた事感謝しているよ。

何から話そうか。決していい丸八ヶ月を迎えた訳じゃ無い。今回は完全に俺の非だ。お前を形はどうあれ傷付けたからね。

私と共に歩んでくれると誓った日、確かにお前と約束をした。《互いに隠し事はしない》と…。

お前はとても真っ直ぐで思った事は口に出す。其れはとても素晴らしい事だと俺は思う。其れと同時に羨ましくもあり、恐ろしくもなる。

恐ろしいなどと言えば、俺がお前に臆して物が言えないと捉えられるかもしれないがそうじゃない。俺は出来る限り、お前には伝えているつもりだ。だた、同じ事を言うようだが俺はお前以上に言葉も表現も不器用で、偶にどうして良いか分からなくなる。其れを難しく考え過ぎるとお前はよく言うが…実際のところただ解らないだけなんだ。

…お前が離れたいと言えば…俺はそうかと応えるだろう。そして引き止めはしないだろう。

お前の心は真っ直ぐだから、多分その言葉を俺に向ける時は…俺に何らかの不満や想いの不一致が見られた時じゃないかとそう感じた。お前は決して俺を試したり、意の無い言葉を向けたりはしないとそう見ていて思う。

俺の想いは…一番の想いは、お前に側にいて欲しい。俺の側で幸せになってくれたら…其れだけだ。だからね、リヴァイ。だからお前が離れたいと言えば、俺の想いはもう其処で消える。愛してるからこそ、諦めなければと思う。お前にその言葉を口走らせた俺は多分、引き留めたり、もう一度考え直せという資格が無いのだとそう思うから。

リヴァイ、俺は良い男じゃない。寧ろ出来損ないの意気地無しだ。…それにお前が期待している様な言葉を掛けてやれないような男だ。だが、確かに言える事は、俺はお前に隠し事はしていない。愛しているも、お前と数日話した上記の様なやり取りもすべて本心だ。

…なんて、こんな話をするとはね。
本当に、何処まで容量が悪いのだろう。笑えてくる。…

九ヶ月目。

お互いに任務が重なると不安も重なる。毎回言っていると思うが俺はお前と出会った時より、月日を重ねて行くにつれてお前に対する気持ちは大きくなっていく。

愛してる。心からそう想っている。
それと、こんな俺を愛してくれて有難う、リヴァイ。
16 リヴァイ
お前が忙しさから抜けた途端、今度はこっちが中々自分の時間が上手く作れなくなった。
お前には沢山寂しい思いをさせている事だろう。
そんな中で九ヶ月を迎えたわけだが…。記念の言葉も、すっかり遅くなっちまったな。

お前が残した言葉に、ちゃんと応えようと思ったんだが…考えれば考えるほど言葉が纏まらなくて何時迄も文章にならなさそうだから、潔く諦める道を選んだ。
お前の言いたい事は分かった。
だが俺はごちゃごちゃと考えたところで自分の心情の説明はうまく出来そうにない。
故にそんな事に時間を費やす事は不毛だと結論づけた。

深く悩みながら共に居たって、お互いドツボに嵌って終わっちまいそうだ。
問題があるならその時前向きに向き合えばいい。離れるだの離れないだの、暗い話題に頭を悩ますのは良くないと思う。


俺もお前を想ってて、お前も俺を想ってる、それでいい。
起こりもしない不安にどうこう頭を悩ますくらいなら、クソの長さでも報告しあった方がまだマシだ。


まぁ、そんな中で当のお前は流行りの風邪を拗らせたわけだが…兎に角何はともあれ早く元気になってくれ。
また長い壁外が始まるってのに、そんな調子じゃこの先ずっと心配しなきゃならねぇだろ。

気弱なお前は出来れば見たくない。
後ろ向きなお前もだ。
俺が恐ろしい?
馬鹿を言え、本来お前の方がもっと恐ろしい男の筈だ。


9ケ月目、長く過ごしてきた。
お互いしっかりしねぇとな。
俺ももっと時間を上手く使えるように努力するから。

敢えて厳しい言葉を綴る。
愛ゆえだぞ、理解しろ。
17 削除済
18 リヴァイ
早いもので、10ヶ月だ。
寒い日は変わらないが、少しずつ日が長くなってきたことを感じている。

最近はお互いに中々時間が合わせられない事が多くなったな。
だが、そんな中でも時折触れ合えるときには本当に満たされた時間を過ごしている…と俺は思っている。
後ろ向きにもならず、卑屈にもならず、限られた時間の中で穏やかに二人で過ごす事はとても幸せなことだと思う。
たとえ短い時間であってもお前の気持ちを痛いくらいに感じている。

先日は赤い薔薇と菓子をありがとう。
菓子は勿体無くてまだ食べられないでいる。
花はまた、きれいに乾燥させるつもりだ。今度はどこに飾ろうか…

お前の贈り物はいつも突然で驚かされることが多い。
…まぁ、出会った頃から不意打ちばかり仕掛けてくる男だから、俺もいい加減慣れるべきかもしれないが。

今頃は壁外で頑張っている頃だろうか。
余り小言のような事は控えようと最近は思っちゃいるが、やはりお前の体調やらは心配している。
大きな成果は上げなくていい(上げてくれたら勿論誇らしくはあるが)、とにかく無事に戻ってきてくれ。


来月も菓子を交換しねぇとな。
楽しみにしている。


追伸 一つ前のページは俺がしくじっちまった。すまない。
19 エルヴィン・スミス
先ずは珍しく遅れてしまった事に少しばかり後悔している一方、リヴァイからの手紙にとても気持ちが癒された事を此処に。

10ヶ月が経ったな。月日が経つ毎にお前との逢瀬の時は少なくなった様に感じる。其れはきっとお前もだろう。環境も何もかも出逢った時とは変わってしまった。勿論互いに其れは責めるべきでは無い事だ。とても今の俺達には大切な事だからね。……と、頭で解っていても互いに自分自身の中では己を責める。もう少し早く声をかければ、睡魔が、次の日の任務が、と。

けれど逢瀬の時は減ったのかもしれないが、気持ちは今の方が近付いて、寄り添っているんじゃないかと俺もそう思える。環境が変わったから、気持ちも変わる。いい風に変わるのか、そうでないのか……。其れは互いを口先だけでなくしっかりと信じ思っていれば自ずと良い方に向くのでは無いかと、俺はそう思っているよ。

……いや、正確にはそう思えるようになった。本当に最近の事だ。リヴァイ、俺は出逢った頃よりお前を想う事が増えた。任務を遂行するお前に難は降りかかってないか、しっかり身体は労われているのか、ちゃんと兵舎に帰れたのか……様々な事を思うよ。

10ヶ月経っても気持ち変わらない。
これからも支え合い、共に拠り所になれる様2人で頑張っていこう。まだまだ、お前としたいことは沢山有るんだ。

落ち着いたらまだ、何か手作りをして2人で出掛けたい。


愛しているよ。
此れからも共に。
20 リヴァイ
記念日でも、なんでもない日だが、たまには許せ。

このところはお前に不甲斐な姿ばかりを見せて、本当に悔しい思いをしている。
お前が支えてくれる心強さを感じながらも、申し訳なさもある。
無論、淋しさもだ。

だが待たせているのが俺である以上、お前は俺以上にもっと淋しい思いをしているんだろう。
必ずこの状態はなんとかしてみせる。
いつかまた、お前と遠出をしたい。
…イヤ、まずは触るところからだな。


いつもお前がくれる温かい言葉が、俺に力を与えている。
ありがとうエルヴィン。
愛している、心から。
21 エルヴィン・スミス
お前の早朝の手紙、とても嬉しかったと同時に、何度も言うがそんなに頑張ってくれるなという思いがこみ上げた。

リヴァイ。お前はきっと俺に負い目を感じているだろうね。自分のせいで逢えない、俺に辛い思いをさせて居るのでは無いかってね。

その気持ちは痛い程分かる。
俺も壁外に出ている時は何時もお前の事を考えそう責めることも少なく無かったからね。考えるなと言えば言うほど其れは無理な話なんだろうと思うが、…お前は充分頑張っているよ。

俺はちゃんと其れを認めて居るし、それに対して負の感情は抱かない。ただただ、お前が無理をせず1日を無事に終えてくれる事を祈っているよ。


愛している。
気持ちはそう簡単に変わるものじゃない。
22 エルヴィン・スミス
さて、1日遅れてしまったが11ヶ月目を迎えた。

来月で1年…と考えると早いものだ。
お前とは色々とあったね。語っても語り尽くせない程、良い事も悪い事も、お前を不安にさせたり、寂しい思いをさせてしまったり。

今もきっと心の何処かで寂しい想いをさせてしまっている様な気がする。これは俺の勝手な思い込みだが。…俺もお前も出逢った時より大分と互いに甘く、中身も変わって来た様に思う。

言うなれば…お前らしさ、俺らしさが出て来たのかもしれないな。

今は互いに時間が取れない。
合わない事も多く、こう言った記念日やイベントのお返しも上手く出来ていない現状だが、其れよりも今は其の様な状況だからこそ、互いを強く想うことが一番だと考える。

…なんて、分かりきっている事たがな。

兎に角、俺はお前を愛しているよ。
次は面と向かって伝えよう。

エルヴィン・スミス
23 リヴァイ
少し遅くなっちまったが早いもんで、11ヶ月になった。
月日が過ぎるのは早いな…来月には一年か。
このところは相変わらず忙しい日が続いちゃいるが、その中でお前が飛ばしてくれる鳩はいつも俺の力になる。

すれ違いもある、寂しい思いはお互い様だ。
だが俺は不安は感じていない。
そんな些細な事で、崩れたりするような関係じゃねぇだろ、俺とお前はな。
また何処かへ出掛けようと言ってくれるお前の言葉が嬉しかった。近いうちに、実現させたい。


花が開いて、過ごしやすい時期になった。
去年お前と出会った頃が近づいている。今年は穏やかに過ごせりゃいい。


愛しているエルヴィン。
1年目はどうやって迎えようか。
24 エルヴィン・スミス
お前と共に過ごした一年、一言では言い表せない位に充実したものだった。

初めて出逢った時の事を覚えているか?私は本当の所、少し記憶が薄いんだ。だが、その時の想いは良く覚えているよ。きっとお前に対して言葉にはしていながったが…初めて出逢った時、私はお前の事を『とても真っ直ぐで綺麗だ』と、そう感じた。其れは今でも変わらない。私には勿体無い位だと時が経てば経つ程そう思えて仕方が無い。

…と、そんな日の事を昨晩、眠るお前を抱き締めながら不意に思ってね。

親密な仲になった途端、お前も俺も多忙や私用で僅かに擦れ違い、壁外の際にはお前には心配ばかり掛けた。其れは今も勿論変わらないだろうが、心配をしてくれる者が居る幸せを、お前のお陰で私は感じる事が出来た。

語り尽くせない程、お前には感謝している。
傍にいてくれる事。其の手をどんな時でも私だけに伸ばしてくれる其の優しさに。

此れから先、二人の間に何があるのか検討は付かないが、どんな事が有っても其れを乗り切れる強い想いが有ると信じている。

…リヴァイ、愛している
此れからもお前の傍に


エルヴィン・スミス
25 リヴァイ
今日で一年が過ぎたが…俺には本当にあっという間だった。

出会った日の事は俺はよく覚えている。あの時飲んだ飲み物もだ。
大きな事柄を直前に控えた状況の中お前との縁は偶然に繋がった。
その時は何ともないと思っていたが、心の内にどこか不安があったんだろう。お前が側に居てくれた事は、本当に俺の支えだった。

色々な山を越えて、互いに手探りで此処まで来たな。
お互いに中々忙しい時間は続くが、それでもいい。お前は俺の隣にいるのだと思えば、大きな力になる。俺もそうなれたらと、常に思っている。

小言と心配ばかりで、色気のあるような振る舞いとやらからは程遠い俺を何故か好いて居てくれる変わり者のお前。
夜遅く、ようやく落ち着いた時、声を掛けると待っていてくれる事が本当に嬉しい。


…エルヴィン、おまえと出会えて良かった。

うまく自分の気持ちを纏められねぇのはもどかしいもんだな。
とにかく、これからも宜しく頼む。


リヴァイ
26 リヴァイ
ひと月ってのは驚くほど早いもんだ。
つい先日まで厚い布団にくるまっていた筈なんだが…今日の部屋は湿度も温度も高いときて、
急いで薄い布団を用意しなくちゃならなかったほどだ。

先日からまたお前は壁外、俺はいつもの任務に追われて薄くなった布団で共に寝る事も中々叶わない。
だが、そんな中でも互いをいたわり合い少ない時間の中でも触れ合うことが出来る日々は、悪くないと思っている。

殆ど休みがない過酷とも言える環境の中で、お前が愛情に満ちた手紙を寄越してくれることが何より嬉しい。
日頃は照れくささも相まって、そんな手紙にもろくに感謝の言葉を伝えられていないことを申し訳なく思う。
…頭のいいお前のことだから気づいてくれているだろうなんてのは少し傲慢だな。

いつもありがとうエルヴィン。
大して支えてもやれない俺がお前の傍にいられるのは、一重にお前の懐が広いからに他ならない。

…これからも傍に居たいと願うことを許してくれ。

愛している。
一年とひと月めに。


リヴァイ
27 削除済
28 エルヴィン・スミス
一月と一ヶ月。
お前に直接向けた言葉に嘘偽りは無い。大切な最愛だと、時間が過ぎる度に強く感じる。

今回はお前に先を越されてしまった。俺を支える事に喜びを感じると言ってくれた事、とても感謝している。お前は俺の身体や気持ちに対しても一つ一つ言葉を投げ掛け心配をしてくれるのに対し、俺は何をしてやれているだろうか?最近はただ我慢をさせているだけでは無いかとそう思ってしまう。

…お前は俺が、お前の要望を汲み取り、そうし易いように誘導しているだろうとそう言っていたが其れは違う。俺もお前と共に居たいのに、共に床に就き寄り添いたいと願うのに上手く言葉に出来ないから、まるで便乗するかの様に振る舞っているだけだ。決してお前が我儘なわけではない。真っ直ぐな性格ならお前に此処まで思わせる事も無かったんだろうが、…素直なお前に何時も感謝している。

気付けば側にいてくれる事。
時に叱ってくれる事。
そして、愛してくれている事。

感謝している。
愛しているよ、此れからも。
29 エルヴィン・スミス
一年と二ヶ月。

今回はお前とゆっくり過ごす事が出来なかったな。
毎日が目まぐるしく過ぎていく中でもお前への感謝と気持ちは全く風化する事は無く、寧ろ、俺がこうして色々な事を気にせず事を進められるのは、お前の理解と支えがあるからだとそう感じて止まない。

......ちゃんと、色々な約束を実行しなければね。
言葉ばかりではお前に呆れられてしまいそうだから。任務がもう間もなく落ち着く。少し気温は高いが...また何か持ち寄って少し出掛けよう。

俺が見た景色の共有でも、お前は喜んでくれるだろうが、やはり二人で見る景色の方がもっといいと俺は思っているよ。

約束だ。必ず。


愛しているよ、リヴァイ。
30 リヴァイ
まずは近頃の多忙にかまけて書き込みが遅くなった謝罪をさせてくれ。

最近はこんな調子でなかなかお互いに歩幅が合わず、声を交わす事も難しくなってしまっているな。
だが…お前が日々忙しく過ごしている中で、去年のように体も崩さずやるべき事に真っ直ぐ取り組んでいるのだと思えば、辛いとは思わない。
お前がお前の進む道を歩んでいる姿を見ているのは昔から嫌いじゃないからな。

すこしも「しなければ」なんて気負ってくれるな。
お前と同じ景色が見られればそれもきっと嬉しいが、俺はただ穏やかに隣で過ごすのも良いと思う。
場所なんててめぇがいりゃそれで良いんだからな。

ゴールまでもう少しのところで人はよく転ぶ。
しっかり気を引き締めて頑張ってこい。
31 エルヴィン・スミス
お前達はまだ頑張れる

離れてはいけない

そう友人に言われた。

だが、俺は頑張っているお前に

『頑張ろう』とは到底言えなかった。

此れが最善だったんだ。

答えは何処にも無いね、リヴァイ。

愛してる
32 エルヴィン・スミス
此れが最後の手紙だ。
お前はもう見ていないかもしれないが、な。

とても良い1年2ヶ月だった。
お前と出逢ったのは小さな個室。張り紙の撤去をした後、偶々私が部屋に立ち入った事から始まった。その時は迷い込んだエレンも居たな。妙にお前が私に嫉妬してくれたのを覚えているよ。

初めての触れ合いも、二人で作ったサンドイッチの味も思い出も、お前から貰った沢山の品や嬉しかった言葉も、手厳しい言葉も、優しい言葉も。全部全部…私には勿体無い位良い思い出だ。

お前はとても清い。
私が知る中で、そうだね…。勿論惚れた弱みも含めて、一番綺麗な人だとそう感じる。其れは出逢った時も、今も…此れからも変わる事は無いだろう。

だから、どうか其の『お前らしさ』を失わないで欲しい。お前はどんな事でも乗り切る事ができるとそう確信して居る。俺が知るお前はそういう男だからね。

…長くなったが、最後に。
今まで本当にありがとう。最後にお前の声を、想いをちゃんと聞けて良かった。幸せに。

エルヴィン・スミス end
33 ファーラン・チャーチ
横からの手紙で…本当に悪い。もし、不具合を感じるならすぐに削除する。

読んでいて…すごく暖かな気持ちになった。

本当に素敵で…お互いを思い合う気持ちに憧れさえ抱いたよ。
ああ…もっとやり取りが見たかった。
それから…少しだけだけど…俺にも幸せをもらった気がする。

お互いが幸せになれるように祈ってる…
34 エルヴィン・スミス
ファーラン、お前の手紙有難く残させて貰うよ。

私達は離れてしまうが、『決してこうならないで欲しい』とは言わない。

本当にいい関係を築けたのかどうかは“別れる瞬間”にすべての答えが出るのだと、私は感じた。
お前にも、心配し心から愛してくれる最愛が現れる事を祈っているよ。

有難う。
35 ファーラン・チャーチ
出過ぎた真似をすみません、団長。
前からずっと眺めていました。あんたたち、とても幸せそうだったから…。

別れた瞬間か…。
俺は、いい別れ方をしなかったから…。
相手の幸せを素直に願うなんてこと、できません。
ああ、不幸を願っているっていうことじゃないですよ?
未練たらたらってことです。

団長がどうか…幸せに笑っていられますように。
36 エルヴィン・スミス
お前に逢いたい

未だ想う事を赦して欲しい
37 リヴァイ
もうお前は、ここを見ることも無いのかもしれない。

何度もお前の事を思い出していた。
あんな風に別れを告げて、どのツラ下げて声をかければいいのかわからなかった。
お前と離れてから、誰かと鳩を交わす事すらしていなかったが…どれだけお前が想ってくれていたのか、今こうして痛感している。

憎まれていても仕方がない。
クソみてぇ人間の俺のために、
まだ逢いたいとここに綴ってくれたお前の心が嬉しい。
あの頃が、懐かしい。
38 エルヴィン・スミス
…俺の友人は良く出来た友人でね。
お前の事を知らせてくれた。

一先ず、お帰りリヴァイ。

何を話して良いのか…よく分からないんだ。沢山有り過ぎてね。ーすまない。だが、今確かに言える事は…俺はお前を憎んだりしていないという事と、涙が出る程嬉しいという感情…それだけは確かに感じているよ。

俺はお前との事を良き思い出には出来なかった。
…したくは無かった。だが、一度決めた事。決して遠く励むお前の邪魔にだけはならぬ様、心配をかけぬ様勤める事が俺にとってお前にしてやれる最後にして最大の愛し方だと思っていた。

お前と別れた後、何度か此処へ来ては来るはずのないお前に綴り、見返しては後悔する日々だった。

俺は中々に女々しかった様だ。
可笑しいだろう、リヴァイ。

例えお前が此処に書き残し、まだ遠くへ行くのならば俺は止めない。
ーだが、心は何時もお前のモノだ。そして俺の隣も…。だから何時までも待っている。

お前が帰る場所は俺が何時までも守って居よう。

俺は今でもお前の事を想っている。