1 エルヴィン・スミス

私の元から去っていった君へ

あの者が少し眠りにつくようだから私が代理で君に言葉を届けよう。


私がもし出会った記念日の一年後に君を想っていたら…応えてほしい。
きっと今は何を言っても信じてもらえないだろうから。
本当に私は…恋愛の意味で繋がっていたのは君だけだったんだよ。
恋愛とは無縁な知人はひとりいたけれど…結局その知人とは友人になれなかった。
その者に愛の言葉を囁いたことはない。
君は呟を見て不信感を持ったようだが…愛の言葉は君にしか綴っていない。
これは本当だ。

追いつめてしまって悪かった。
君のことがどうしようもなく好きで…溺れたんだ。
私の手の届かないところに行ってしまうのが怖かった。
情けないだろう?
君が愛しくて…形振り構わずに縋りついてしまった。
そうすればそうする程、君の気持ちは私から離れてしまうと言うのに。
君が遠くなればなる程苦しくて、切なくて…最後は制御できなかった。
本当にすまないことをした。

私は少し変わろうと思う。
君を追いつめた自分を見つめ直して…自分の言動を振り返るつもりだ。

君の代わりはどこにもいない。
君は君だ。
それを思い知ったからもう幻を求めたりはしない。

君がくれた言葉の数々は宝物だ。
誕生日にくれた花も。
君自身が宝物だ。

少し冷静になれるよう…時間を置くよ。
そして、考えよう。
悔い改めよう。
今までの私を。

君と交わした言葉は忘れない。
君と重ねた時間も忘れない。
今も、どうしようもなく君を…想っている。


君と出会えたことに感謝を。
君が存在してくれて…よかった。