いつかベッドを分けたお前へ

もうオレはここには通ってねぇけど、すげーたまに足を運んで、いつかのオレ達を思わせる様な呟きを見ては胸が痛んでさ。良くも悪くも抉られてる。
悪い意味ってのは、あの時何度目かの確認を取るのを恐れて便りを止めちまった自分自身に対してだ。お前には本当に感謝と…情けねぇけど未練しか残ってねえ。

何せお前の口から甘えたなオレでもいいなんて言葉が飛び出してめちゃくちゃビビったあの時、ちょっとだけ甘えていいかなんてらしくもねぇ事吐いちまった直後に便りが途絶えたモンで、未だにそれが原因だったのかと頭と心の奥に後悔として残っちまってんだよな。
マジでそれが理由だったなら、調子に乗って悪かった。

もっと話したかった。
もっとお前の体温も声も記憶に刻みたかった。
もっと、奥底まで触れ合いたかった。

勝手にベッドに潜り込んどいて半分よこせっつう我が儘放題だったオレに、いつでもお前は真っ直ぐ向き合ってくれたよな。
会話のほとんどがたわいもねぇ事ばっかだったけど、お前といた日々は紛れもないオレの宝物だ。何年か経ってオレが完全にこの名前を放す日が来ても、それは変わらない。

なあ、ジャン。
お前は今幸せか？毎日…じゃなくても、優しい誰かの隣で笑ってんのか。

もうお前の元へ駆ける翼がねぇオレには、今はただその幸せを心から願うしか出来ねえ。
好きだった、なんて潔く過去形に出来たら苦労してねぇけど…お前が笑って生きてんならそんでいい。

たくさんの暖かい気持ちを教えてくれてありがとな。あの時出逢ったのがお前で、本当に良かったよ。