1 リヴァイ

幸せだ。

毎日、帰って来てくれる。
マメなやつだと最初は思った。今までそんなに俺の為に時間を割く奴なんていなかったから。
今ではそれが当たり前と思えるくらいに構われて、話して、眠るまで側にいる。…これからもそうしてくれる事に感謝を忘れずにいてえな。お前が愛しいから。

ただいまとおかえりを交わす幸せを知った。
俺の方が遅かった頃は迎え入れてくれた。お前の方が遅い日はおかえりを言えた。……お前より先に帰ろうと、いつも躍起になって書類を片付ける。
苦手だった書類書きのペースが上がったのも、愛と呼んで差し支えないか?

俺が好きなものに興味を持ってくれた。
お前が好きなものを教えてくれた。
そんな積み重ねが愛しくて、新しい事を知る度に心が躍った。

自分を悪い狼と呼んで、意地悪く笑う笑顔が好きだ。……都合の悪さをキスで誤魔化そうとするのも。
甘い言葉と一緒にされたら、忘れたふりくらいしちまう。好きだからだ。幽霊話が苦手だと伝えたのに勧めようとしてきたのは暫く忘れねえ……。

2ヶ月目の日に、日付が変わるとほぼ同時に愛してるをくれた事も、幸せの一つだ。
……なあエルヴィン。本当に俺は、お前に幸せを返せているんだろうか。
幸せ過ぎて、胸が苦しい。幸せな痛みだ。泣きたくなるような幸せを、俺もお前に返したい。

早起きしたから綴ってみた。何でもない日を…おめでとう。
今日も俺が先に帰れるように、努力してみる。エルヴィン。愛している。
2 リヴァイ
今日で、2人が積み上げた手紙の数が1000を超えた。うっかりフライング鳩も含めて居るから厳密には夜になりそうだが…総数で言うならば、だ。
これは凄い事だ。本来の俺は飽きっぽいのだと言ったらお前は驚くだろうか。今までなら積み重ねた数をいちいち数える事さえしなかっただろうな。
今ではそれさえも楽しい。

昨夜はお互いに告白した日を覚えていなかった事に笑った。それくらい自然と共に過ごしていたという事か。
奪還作戦については胸が高鳴った。エルヴィンなら、迅速な手配で首尾良く進めるんだろう。あれなら信頼して、待っていられる。

話をすればするだけ、聞けば聞くだけ、もっとエルヴィンを知りたくなる。
溺れている。
依存しているのは俺の方だ。…甘えていた。言わなきゃ伝わらねえってのにな。今後はもう悲しませねえようにしたい。独り寝の寂しさは俺も知っている。

ともかく疲れて帰って、その場で寝落ちる癖を直さねえと…。いくら丈夫だとは言っても具合を崩したら心配させちまう。大丈夫だ、大事にする。この
身体はエルヴィンのものだから。

愛している。エルヴィン。
3 エルヴィン・スミス
とても恥ずかしがり屋なところ
そして素直でなかったところ
自分の気持ちに正直になれなかったところ
照れ屋さんなところ

その何もかもが愛しくて愛しくて、目の中に入れても痛くないほど可愛がった。甘やかした。

当初こそは自分の事を可愛くないと否定し、羞恥から自分の気持ちを上手く言葉にすることも出来なかったと思う。
それは、お前本人もそういうのが得意ではないと言っていたし、過去の付き合いでも同様だったと耳にした。


でも今は、


好きだと言えば好きだと返してくれる。
愛してると言えば愛していると告げてくれる。
可愛いと伝えたら素直に喜んでくれる。

その全てが無理なく、とても素直に、そして嬉しそうにしてくれるのが本当に幸せだ。
お前のその笑顔が私は見たかったのかもしれない。心から幸せそうに微笑んで、私の腕の中で甘えてくれるお前が大好きだよ。

自分でも見付けていたし、お前からも教えてもらっていたのに、書くのが随分と遅れてしまった。
でも、初めて書く時はこの日と、お前のこの場所を見付けた時から決めていたんだ。

三ヶ月、あっという間だったね。
今までありがとう、お前の事が大好きだった。これから先もお前だけを愛しているよ。

リヴァイ、愛している。