1 エレン・イェーガー

厄介な部下に愛された上官へ。

貴方は直ぐ見付けてくれるだろうから、敢えて堂々と。昨夜、オレの情けない告白を受けた兵長へ捧げます。

早くも一ヶ月と三日。
実はオレ、言ってませんでしたけど…出逢った初めの頃から貴方の事好きでしたよ。寝る間も惜しくて貴方が眠る迄待ったり、待つ間沢山本を読んでは作戦を立てたり、鳩小屋に駆け込む癖が付いたり…と、日常生活を変えられる位には。

…貴方の一癖有るところに、オレは惚れ込んだんです。
予想通りの行動をしてくれないのが新鮮で、逆にオレに火が付いて。最初は拒絶するけど、結局最後は絆されてくれて。オレが落とす予定が、何時の間にか落とされたと言う、間抜けな話なんですけどね。

…だからそんな貴方が昨日、オレの所に落ちて来てくれたのが本当に嬉しくて、昨日から顔緩みっぱなしなんですよ。だから伝え切れない愛を記念として此処に。…そう言えば以前、惚れた方が負けと言いましたけど、此れで引き分けですね。


─兵長。貴方の厳しいところも、焦らすところも、時々可愛いところも、格好良いところも、全て含めて愛してます。クソガキのオレを選んでくれた事へ、心から感謝を。


追記。早く帰って来ないと、兵長の枕噛み過ぎて涎だらけになりそうです。
2 リヴァイ
新年早々、勝手に落ち込んだ駄犬。


過去に見た夢の話、其の程度で憤慨する程に心は狭くねぇつもりだ。全く、くだらねぇ事で勘違いして勝手に落ち込みやがって…相変わらず、バカな奴だと呆れずには居られねぇ。


だが、まァ…其処は、てめぇの持ち味でも有るんじゃねぇか。少なくとも、俺はそう思う。だからこそ、落ち込んだ駄犬を宥める事も苦にはならねぇ。単純なクソガキは、簡単に復活するしな。


落ち込んだ時、悩んだ時、苦しい時、悲しい時、何か有ったら言え。其のケツに蹴りを喰らわせて遣る。言っておくが、甘やかして貰えるとは思うなよ。知ってると思うが、俺はそんなに甘くねぇ。


…其の、何だ…ーーつまり、今年も変わらず躾て遣るって事だ。てめぇは今年も尻尾振って、だらしねぇ面で笑ってろ。
3 エレン・イェーガー
求婚の日、でも有りますけど。
実は今日、恋人関係に繰り上がって一ヶ月目だったり。

昨日出逢って二ヶ月と手紙交換し合ったばかりですけど、オレが告白をして受け止めて貰った大事な日でも有るので…此処は一つサプライズを。

…実はコッソリと、貴方の部屋の引き出しにオレからのプレゼントが入ってたりします。何時の間に侵入したんだと怒られそうですけど…まぁそれは後で罰を受けるとして。
兎に角見付けたら、小箱は開けずにオレの所へ持って来て下さいね。


…愛してます、リヴァイさん。
見付けたら、そのプレゼントを御褒美に。
4 リヴァイ
相変わらず、間抜けな寝顔をしてやがる。


そう思いながら、蝋燭の淡い光だけを頼りに隣で綴ってる。足首を動かす度に皮膚を擽る鎖の感触が、何だか擽ったくてな。目蓋を閉じてみたが、眠れねぇ始末。オイ、責任取れ。


二ヶ月記念だの、付き合い始めた記念だの、律儀に祝うてめぇは、やっぱり何処か女を感じる。少なくとも、風呂に入らねぇハンジよりは。…とは言え、別にバカにしてるつもりは無い。祝われる度に新鮮で、…まァ、悪い気はしねぇよ。こうして誰かに向けて筆を走らせる事も、俺にとっちゃ初めてだ。お陰で、何て書いたら良いかすら分からん。此処迄で、既に二十分。書類なら五分で終わるぞ、クソが。



左手、左足首、…左側に固執するお前の所為で、俺の身体は左に傾いてる気さえする。だから、お前は俺の右側で寝かせた。重心を正す為に。



…ーー寝る。
5 エレン・イェーガー
出逢って三ヶ月。恋人として二ヶ月達成記念に又此処へ。大好きなリヴァイさんに。


でも記念の前に…今月は反省すべき点が沢山有りました。多分今迄以上に貴方を悩ませて傷付けたんじゃないかって、…凄く反省してます。勝手に落ち込む癖も早く直したいんですけどね、…貴方の前じゃまだまだクソガキです。

だから時々、何故貴方が此処迄オレの傍に居てくれるのか…怒られるかもしれませんけど、不思議でしょうがないんです。不安に成って落ち込む度、断言してくれる力強い言葉に何度オレが救われたか…本人は自覚無しなんて、格好良過ぎますよ。もう。

けどオレに至っては日毎に困らせる事ばかりが得意に成ってる気がして最近では頭が上がらないんですけど…まぁそれでも、手放す訳にはいかないんです。バカの一つ覚えみたいに好きだと叫ぶ事しか出来ませんが、貴方を一番愛している自信は有りますから。

なので此れから先もどうか、煩いと怒りながらオレの拙い愛に耳を傾けて下さい。精一杯、注がせて貰いますから。


──愛してます。オレの愛しい人。